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アメリカン・ライフスタイルショップの始まり。六本木〈OUT POST〉カルチャーの震源地へ Vol.3

ロカビリー、パンク、アメカジ……。今となっては馴染み深い、海外由来のファッションジャンル。それらが日本に根づいた背景には、いつだって初めて取り入れたお店の存在がある。起源を求めて、いざ、“始まりの店”へ。

Photo: Keisuke Fukamizu / Text: Keisuke Kagiwada

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〈リーバイス〉の501が中心にある生活とは?

〈アウトポスト〉ほど時代を先取りし続けた店も珍しい。実際、アメリカ文化に強い憧れを抱いていた小田切明夫さんが、“〈リーバイス〉の501が中心にある生活”を提案すべく店を始めたのは、1973年だ。

『POPEYE』はおろか『Made in U.S.A catalog』すら世に出ていない時代に、そのコンセプトを考えついていた先見の明には驚くしかない。さらに言えば、創業当初のショップカードには“NEW LIFE STYLE SHOP”とある。今では耳慣れた言葉だが、おそらく最も早い使用例だろう。

その先取りぶりは、小田切さんがアメリカで買い付けてきた商品にも表れている。カトラリーやコーヒーミルといった雑貨から郵便受けや家具まで、日本人には未知なる米国製品ばかり。

あるいは、〈カーハート〉のワークジャケット、〈シエラデザインズ〉のマウンテンパーカなどを通じて、アウトドアをファッションに取り入れ“アメカジ”的なスタイルを、日本に根づかせた点も見逃せない。創業当時から変わらない山小屋のような店内では、今もその息吹を感じられるはずだ。

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