定員6名のカウンターを舞台に、保育士から飲食の世界に飛び込んだ尾嶋勇佑さんが、一つ一つ、丁寧に餃子を手包みする。名物は、むっちりとした皮からあふれる穏やかな旨味に思わず目尻が下がる「華餃子」だ。この名を聞いてピンときた方はかなりの餃子ツウ。
イタリアンの料理人ながら、自他共に認める餃子ラヴァーだった尾嶋さん。餃子専門店としての独立を目指し、古今東西の名店を巡るなかでハートを射抜かれたのが、「華餃子」の生みの親である東京・阿佐ヶ谷の〈豚八戒〉だった。弟子入りを志願するも最初は断られたそうだが、度重なる懇願で熱意が通じたのか、晴れて社員に。
「毎日、大量の仕込みをこなしながら舌で覚える」短くも濃い2年間を経て、地元関西に凱旋した。実は〈四富会館〉は常連として通っていた馴染みの場所。
会館では早めの16時オープンで、酒を呼ぶ小皿のアテとともに小腹を満たしてくれる。カウンターからカウンターへ。京都名物「会館飲み」の口開けにももってこいの新顔だ。