禁酒時代のヒール
ブルワリー:いわて蔵ビール(岩手)
麦とホップが香るノンアルコールで乾杯
コロナ禍に酒類を提供できない飲食店への支援として生まれたノンアルコールビール。「皮肉交じりでいて、ユーモアにあふれた名前。ビール同様、素材も麦芽とホップをふんだんに使い、シトラホップの特徴であるフルーティでいてガツンと来る爽やかさが心地いいんです」(田嶋)。1995年、岩手県一関にある日本酒の蔵元〈世嬉の一酒造〉の酒造りの技と、醸造家の経験と知識から生まれたブランド。「三陸牡蠣のスタウト」「ジャパニーズハーブエール山椒」なども人気だ。330㎖。
いわて蔵ビール(世嬉の一酒造)
TEL:0191-21-1144
HP:sekinoichi.co.jp/beer/
ナインテイルドフォックス1999年
ブルワリー:那須高原ビール(栃木)
20年以上の時を経たヴィンテージに酔いしれる
「エイジングビールという新しい考えを日本で発案。一番古いものは20年を超える」(木暮)。100%無濾過のビールを造る〈那須高原ビール〉がヴィンテージビールを造り始めたのは1998年のことだ。注文が入ってからボトリングし、賞味期限はそれから25年後となる。99年に醸造したこちらは、液色が琥珀色に。アルコール度数は11%。コクと重厚感のある甘さはカラメルのようで、少しずつ味わいたい。年代ごとに価格が異なる。
那須高原ビール
TEL:0287-62-8958
HP:www.nasukohgenbeer.co.jp/
湘南ゴールド
ブルワリー:サンクトガーレン (神奈川)
泡から後味までオレンジがいっぱい
糖度12%と甘く華やかなオレンジ、湘南ゴールドを、皮も実も丸ごと入れたフルーツビール。「県外では入手困難な果実をふんだんに。キャッチコピーにある“飲んだ後のゲップまでオレンジ!”の通り、最初から最後までオレンジを堪能できる。夏になると必ず一度は飲まずにいられない一本です」(木暮)。代表の岩本伸久はアメリカで出会ったビールに魅せられ、日本の規制緩和前に1994年サンフランシスコで醸造を開始。その後帰国し、97年から神奈川でビール造りを続けている。330㎖。
サンクトガーレン
TEL:046-224-2317
HP:www.sanktgallenbrewery.com/
MATSUMOTO Traditional Bitter(マツモト・トラディショナルビター)
ブルワリー:まつもとブルワリー (長野)
イギリスで愛される伝統スタイルを松本で
英国産の最高級モルト、マリスオッターを贅沢に使用。「麦の味を感じながら、ゆるゆると味わえる。ビールは喉越しだけじゃなく、ワインのように時間をかけながら楽しめることを教えてくれます」(木暮)。北アルプスや美ヶ原(うつくしがはら)を水源とする清らかな水を仕込み水に。醸造を始めた2018年から地産のホップを取り入れた限定品を造り、近頃は地元で採れた麦芽を使うビールもリリースする。従来のアメリカンスタイルを中心に、信州らしさを感じさせるビール造りを目指す。330㎖。
松本ブルワリー
TEL:0263-31-0081
HP:matsu-brew.com/
Earl Grey(アールグレイ)
ブルワリー:城端麦酒(富山)
茶葉を使った軽い飲み口を楽しむ
ベルガモットの香りが華やかなアールグレイ茶葉を使ったフレーバーエール。「紅茶をお酒にしたような甘味が心地よい。ビールっぽくないところに、新しいファンを引き寄せる力を感じます」(木暮)。富山県南部の「越中の小京都」と呼ばれる地区で醸造。ピンクグレープフルーツを使った「トロピカルピンク」やレモンスカッシュのような「Great Blue」など果実の風味が効いたフルーツビールから、ホップ満載のIPAまで、ブルワー山本勝が造るビールはバラエティ豊かだ。350㎖。
城端麦酒
TEL:0763-62-2283
HP:www.jo-beer.com/
UDON NOWW WHEAT ALE(ウドン ノウ ウィート エール)
ブルワリー:セトウチ(香川)
うどん用小麦を加え、ボディ感を創出する
2021年に香川・高松で開業した醸造所の人気シリーズ「UDON BREWING」。「うどん職人がビールを造ったら?」のコンセプトのもと、うどん用の小麦も醸造に用いる。「だしを昆布とカツオ節でとれば味わいの相乗効果があるように、ホップも組み合わせでフレーバーが異なる。このウィートエールはコロンバス、エルドラドを効かせ、ヘイジーIPAのような軽い飲み口と適度なボディ感を醸しています」(田嶋)。トロピカルフルーツのニュアンスも漂う一本。350㎖。
SETOUCHI
MAIL:info@setouchi-beer.com
Instagram:@setouchi_beer