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いま飲むべき!クラフトビール【SOUR】

中世ベルギー発祥、乳酸菌や野生酵母で発酵させるスタイル。自然由来の酸味に惹かれた世界のブルワーが、今注目するジャンルが「サワー」だ。

Photo: Keiko Nakajima, Wataru Kitao / Text: Yumiko Ikeda / Edit: Ai Sakamoto

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Banana Puddin' J.R.E.A.M.(バナナ プディング ジェリーム)

Banana Puddin' J.R.E.A.M.(バナナ プディング ジェリーム)

ブルワリー:バーリー・オーク・ブルーイング・カンパニー (アメリカ)

フルーツスムージーのごとき、ソフトな飲み口。

「J.R.E.A.M.(Juice Rules Everything Around Me)」は果物にラクトースを加えた人気のサワーシリーズ。「バナナの風味が炭酸とともに伝わってスムージーのよう。ビールとは思えない口当たりが新鮮です」(田嶋)。ほかに「ベリーチェリーコブラー」や「アプリコットブラックベリー」なども。新フレーバーが限定発売されるたび、アメリカ東海岸メリーランド州ベルリンの醸造所には熱狂的なファンの行列ができる。またニューイングランドIPAも得意とする。473㎖ ¥1,452(編集部調べ)。

ファイブ・グッド

TEL:090-3006-2256
HP:fivegood.jp

Schneeeule Kennedy(シュネーオイレ ケネディ)

Schneeeule Kennedy(シュネーオイレ ケネディ)

ブルワリー:シュネーオイレ醸造所 (ドイツ)

約400年の歴史を誇る、酵母と乳酸菌の合わせ技。

バイオテクノロジーの専門家である女性醸造家が2016年にベルリンで創業。“北方のシャンパン”と呼ばれ、16世紀後半から20世紀半ばまで盛んに飲まれた、ベルリナーヴァイセのみを造る市内唯一の醸造所で、ドライな味わいと爽やかな酸味が特徴だ。「60年もののボトルから酵母を培養して、ビール酵母や乳酸菌と発酵。きめ細かな酸、酵母の複雑な香りがたまりません。また『ケネディ』にはヒノキに似た香りを放つ北海道産ホップ、ソラチエースが使われます」(コウゴ)。330㎖ ¥580。

ヒューメイア

GUEUZE(グーズ)

GUEUZE(グーズ)

ブルワリー:カンティヨン醸造所 (ベルギー)

白ワインの柑橘感を想起させる端正なランビック。

16世紀のベルギーで誕生した、オーク樽で熟成させる自然発酵ビール。その世界で最も名の知れた醸造所が〈カンティヨン〉で、グーズは熟成期間やオークの種類もさまざまなランビックをブレンドした一本だ。瓶詰めにした後はセラーで水平にして1年間保管され、瓶内二次発酵を経て、炭酸の泡は細やかになる。「ランビックを代表する名作。柑橘の香り、しっかりとした酸味もグッドです」(木暮)。1900年創業の醸造所内には、街の名所〈ブリュッセル・グーズ博物館〉も。375㎖ ¥1,199。

小西酒造

TEL:072-775-0524
HP:www.konishi.be/

Lindemans Pêcheresse(リンデマンス ピーチ)

Lindemans Pêcheresse(リンデマンス ピーチ)

ブルワリー:リンデマンス醸造所 (ベルギー)

ピーチの果実味が漂う、低アルコールな一本。

「桃の果汁を加えて熟成。ランビック特有の野性味は少なく、爽快な甘酸っぱさに加え、度数2.5%と飲みやすいのが魅力です」(コウゴ)。フランス語のPêcheresseには“罪深い”の意があるため、アールヌーボー調のラベルにはセクシーな“桃尻美女”のイラストが描かれる。1822年にベルギー・ブレーゼンベークで創業した醸造所は、培養酵母ではなく、空気中に浮遊する野生酵母や微生物を利用して自然発酵するビールが得意で、フルーツランビックの名手として名高い。250㎖ ¥440。

三井食品

TEL:03-6700-7100
HP:mitsuifoods.co.jp/mfp/import/

Creamy Carousel(クリーミー カルーセル)

Creamy Carousel(クリーミー カルーセル)

ブルワリー:ブリュースキー (スウェーデン)

ベリーの味わいが鮮やかなサワーエール。

「レモングラスやラズベリー、ゼニアオイの花を入れたこのサワーエールは、“飲むヨーグルト”に似た口当たり。ライムの柑橘も爽やかで、後味も軽い。最後に広がる乳糖の甘味も優しいんです」(木暮)。〈BREWSKI〉はスウェーデンの港町ヘルシンボリに、2014年に開業。折しも世界はブルワリーのオープンラッシュで、質の高いホップの入手が困難だったという。それを補うべく、パッションフルーツなどの果物を使って醸造したために、今や造るビールの8割がフルーツ系に。330㎖ ¥680。

ディグ ザ ライン

TEL:03-6803-8656
HP:dig-the-line-store.com

Jungle Jive(ジャングル ジャイブ)

Jungle Jive(ジャングル ジャイブ)

ブルワリー:ボートロッカー ブリュワーズ&ディスティラーズ (オーストラリア)

ドライホップ製法で、白ワインに似た一杯に。

乳酸菌で醸しながら、発酵の最終段階でホップを投入し、トロピカルフルーツのフレーバーを効かせたドライホップドサワー。「クリアなグレープフルーツのアロマと、酵母や乳酸菌が生み出す複雑なニュアンスが重なり、まるで白ワインのようなフィニッシュにつながります」(田嶋)。2009年に創業し、今はメルボルン郊外に拠点を置くこちらは、オーストラリア初のバレルルームを設けてランビックスタイルを仕込むなど、常にチャレンジ精神に溢れる醸造所だ。375㎖ ¥750(編集部調べ)。

ラフ・インターナショナル輸出入事業部

TEL:042-306-8270
HP:laff-il.com/

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