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いま飲むべき!クラフトビール【HAZY IPA】〜後編〜

国内外のクラフトビールを知り尽くすビアジャーナリストの田嶋伸浩、コウゴアヤコ、木暮 亮の3人がいま飲むべき1本を厳選。キミはどれを選ぶ?前編はこちら

photo: Keiko Nakajima, Wataru Kitao / text: Koji Okano / edit: Ai Sakamoto

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#9 HAZY(ナンバーナイン ヘイジー )

#9 HAZY(ナンバーナイン ヘイジー )

ブルワリー:ナンバー ナイン ブリュワリー(神奈川)

発酵後の一手間が生む、ジューシーな風味

横浜・みなとみらいのニューアメリカンレストラン〈QUAYS pacific grill〉に併設されたブルワリーで人気のビール。「アメリカ産ホップ由来のシトラスやマンゴー、パッションフルーツを感じさせる華やかなアロマがあります。ワイングラスで飲むと、さらに複雑な香りを楽しめますよ」(木暮)。発酵が始まったらすぐにホップを入れ、終了したらすぐに抜くドライホップ製法を採用。この方法を徹底することで、ホップのアロマを鮮やかにキープすることが可能なのだという。350㎖ 660円。

NUMBER NINE BREWERY

TEL:045-900-0310(QUAYS pacific grill)
HP:huge-ish.stores.jp

Far Yeast Hop Frontier −Juicy IPA−(ファー イースト ホップ フロンティア ジューシー アイピーエー)

ブルワリー:ファー イースト ブリューイング(山梨)

ホップが持つ香気成分を効果的に抽出する

最新のホップ研究により、高い香りのインパクトを実現する成分「Survivables」の重要性が判明。その香気成分をホップから効果的に抽出したヘイジーIPAが、こちらだ。「パイナップルやマンゴーに似たアロマが心地よい。ビールにとって、いかに香りが重要かを教えてくれる一本です」(木暮)。2012年にベルギーでの委託醸造からスタートし、17年に山梨県小菅村に自社ブルワリーを開業した。「Far Yeast 結档Vリーズ」がフラッグシップだ。350㎖ 627円(参考小売価格)。

Far Yeast Brewing

TEL:050-3135-3926
HP:faryeast.com

Full Hop Alchemist v28(フル ホップ アルケミスト バージョントウェンティエイト)

Full Hop Alchemist v28(フル ホップ アルケミスト バージョントウェンティエイト)

ブルワリー:ウエストコーストブルーイング (静岡)

ホップフレーバーがほとばしる一杯

2019年に静岡・用宗で創業するや、ホップを贅沢に使ったIPAが支持を受け、すぐさま日本屈指の人気ブルワリーになった〈West Coast Brewing〉。ヘイジーダブルIPA「Full Hop Alchemist」は、ホップの組み合わせを変えながらバージョンアップされるシリーズ。「飲んだ時に押し寄せる、フレッシュなホップの香りと濃厚な風味がたまりません」(田嶋)。劣化しやすいホップの香りを保つために、醸造過程での溶存酸素の管理を徹底しているという。500㎖ 1,331円(編集部調べ)。

West Coast Brewing

TEL:080-4935-2931
HP:westcoastbrewing.jp

LUPULIN NECTAR(ルプリン ネクター)

LUPULIN NECTAR(ルプリン ネクター)

ブルワリー:ワイマーケットブルーイング (愛知)

柔らかな果実の風味と、シャープな苦味が漂う

「名前のごとく、ネクターに似たとろりとした舌触り。シトラスやマンゴーを想起させる、果実のフレーバーも楽しめます」(木暮)。発酵過程で大量投入される米国産モザイクなどのホップは、酵母と強固に結びつくことで、その芳香と果実味が強調される。また心地いい苦味も訪れ、よきアクセントに。2014年に名古屋で創業したこちらは、西海岸スタイルの「ヒステリックIPA」なども人気でホップ使いには定評がある。名古屋駅前の直営店には全国からビールファンが集う。370㎖ 693円。

ワイマーケットブルーイング

TEL:052-908-0758
HP:craftbeer.nagoya/

ねこにひき

ねこにひき

ブルワリー:伊勢角屋麦酒(三重)

伊勢名物の醸造所が、西海岸のブルワーとコラボ

戦国時代に伊勢神宮前で創業した茶屋〈角屋〉にルーツを持つ老舗醸造所が、アメリカ・ポートランド〈Culmination Brewing〉とコラボしたビール。「トロピカルフルーツ入りのホップジュースを飲んでいるような驚きと、度数8%と思わせない抜群の飲みやすさ。私がヘイジーに目覚めた一本です」(コウゴ)。柑橘フレーバーのアマリロなど5種のホップを大量投入しながら、苦味を抑えた柔らかな味わいに仕上げる。商品名は、両ブルワリーのオーナーが猫好きであることに由来。330㎖ 968円。

伊勢角屋麦酒

TEL:0596-63-6515
HP:www.biyagura.jp

Morning Summer(モーニングサマー)

Morning Summer(モーニングサマー)

ブルワリー:ライズ アンド ウィン ブルーイングカンパニー (徳島)

地元特産の柚香と、ドイツ産麦芽が穏やかに香る

町を挙げてゴミ削減に取り組む徳島県上勝町にて、2015年5月30日(ごみゼロの日)に開業。規格外の鳴門金時やパンの耳を再利用して、ゼロウェイストのビール造りに挑戦する。町の特産品、爽やかな酸味のユズとダイダイの自然交配種・柚香を使ったビールは、ホップと燕麦が生む濁りが特徴的。セッションスタイルで度数は低く、米国&ニュージーランド産のホップ、またウィートモルトなどのドイツ産麦芽がふくよかだ。「軽い口当たりで、朝から飲みたくなります」とコウゴ。330㎖ 770円。

ライズ アンド ウィン ブルーイングカンパニー

TEL:0885-45-0688
HP:www.kamikatz.jp/

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