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令和のパンクキッズが増殖中。スタイリスト馬場圭介が常駐する店

ファッションは時代と共に繰り返される。原宿に、リアルな英国ファッションを楽しんでいる若者がいたら、それは馬場圭介さんのお店〈カウンシル フラットワン〉に集うパンク野郎かもしれない。学び場としてのお店がここにある。

photo: Kazufumi Shimoyashiki、Koh Akazawa / text: Toromatsu

大の英国好きとして知られるスタイリスト馬場圭介さんが2018年5月に原宿にオープンした古着店〈COUNCIL FLAT 1〉。カジュアルズ由来のスポーツものから、ビスポークシューズ、軍もの、バンドものまで1930〜90年代の英国ネタを幅広くラインナップしている。質の良い英国古着が多く、馬場さんの目利きということもあって、ファッション業界人の中にもファンが多い。

店頭にいるときの馬場さん
非売品のお宝ものも多いが英国ファッションの歴史を学びたいならこれほど打ってつけのショップはないだろう(2018年9月15日発売号)。

店を入って右奥のデスクが、馬場さんの定位置。普段から何やら作業しながら店に常駐していることも多く、本物の英国スタイルについてアドバイスをもらうこともできる。非売品だが馬場さんの貴重なコレクションも多くディスプレイされているので、気になるものがあれば、モノにまつわる逸話を教えてもらえそうだ。

3年後(2021年3月15日発売号)に、再びブルータスが〈COUNCIL FLAT 1〉に取材に入った時、そこは若きパンク野郎たちの学び舎になっていた。このパンクキッズたちはスタイリスト馬場圭介さんが営む店と出会ったことで、人生が180度変わった。

店内で集合する馬場さんとキッズ
英国ファッションの本質を学ぶのに、こんなに良い先生はなかなかいない。馬場さんの左隣が清水谷さん。

「大人の言うことが聞けなくて学校が嫌いでした。昔の雑誌を読んで90年代の裏原文化に夢中になって、憧れてた馬場さんの店に学校をサボって通ううちに、遊びに連れていってもらえるようになったんです。デザイナーの北村信彦さんやジョニオさんと同席させてもらえたり、多くを学ばせてもらっています」と、TOP集合写真左から3人目の清水谷俊輝さん。

「俺の若い頃よりしっかりしてる。何かを始めたければやればいいし、力になりたい」と馬場さん。〈COUNCIL FLAT 1〉での学びを生かして、彼らは今季よりブランド〈JANCHY〉をスタートした。

〈JANCHY〉の清水谷さん。
シルクスクリーンの版を持っているのが〈JANCHY〉の清水谷さん。