3つのポイント
1.気鋭の建築家チームと人間国宝たちがタッグ。
2.ジュエリー工房やレジデンスなど全6フロア。
3.稀少なアーカイブ コレクションも収蔵。
伝統と革新性が共存する空間
パリの“ラペ通り13番地”といえば、ルイ・カルティエが1899年、ビジネスの新拠点として選んだブティックであり、〈カルティエ〉の歴史に名を刻む特別な場所。名だたる芸術家やデザイナーにインスピレーションを与え続けてきたこの店が2022年秋、大規模改修を経て新たに息を吹き込まれた。
リノベーションのテーマは輝き、垂直性、そしてモダニティ。パリのエージェンシー、モワナー ベタイユやストゥディオ パリジアンといった気鋭の建築家3チーム、さらには仏人間国宝を含む37人の職人たちとタッグを組み作り上げた計6フロアは、伝統と革新性が共存するスペシャルな空間だ。
往時を偲ばせるファサードや、モールディングなどの装飾を残しながら華麗にアップデートされた建物の1階から4階は吹き抜けから自然光が差し込むブティック空間。なかでも3階のハイジュエリーのフロアには、「インド」「アールデコ」などの名を冠したラグジュアリーなサロンを併設。金や漆、石膏などの精緻な細工がちりばめられている。5階のアトリエには18人の職人が常駐し、〈カルティエ〉が代々継承するクラフツマンシップの場。6階にはキッチンやダイニングも備えたレジデンスも新設され、特別な顧客を迎える。
持続可能性にも配慮し、現代の要素を巧みに取り入れた新生〈カルティエ〉。海外旅行も復調の今、パリを訪れる人たちの新たなランドマークになりそうだ。