3つのポイント
1.1ツ星店〈Ernst〉系列、多国籍な運営陣。
2.ローカル食材を使った“旬産旬消”のメニュー。
3.日本人オーナーが淹れるコーヒーも絶品。
ベルリン発エクレクティックな食体験
べルリンの中心部から少し離れた、移民が多く暮らす町ウェディング。近年このエリアにギャラリーやブックショップなどが続々と集結している。その盛り上がりのハブ的存在となっているのが〈Julius〉だ。オープンしたのは、ロックダウンで飲食店が深刻な打撃を受けていた2020年の12月。
コロナ禍の前夜、ミシュラン1ツ星レストラン〈Ernst〉の若きオーナーシェフ、ディラン・ワトソン=ブラウンは、共同経営者のスペンサーとインガと共に姉妹店としてワインバーの開店を計画していた。そこにポスト・コロナの有機的な解決策として、同地区でカフェを開業する予定だった原翔志が加わり、バーとカフェの機能が融合したレストランが誕生したというわけだ。
「可能な限り地元の契約農家や生産者から入手した旬の食材を用い、週替わりでメニューを考案します。共同経営だからこそトレーサビリティを明確にし、高品質、サステイナビリティが実現できる。多くの人に寄り添う、ちょうどいい塩梅の空間を心がけています」と原。
日中はハンドドリップのコーヒーや自家製ペストリーが楽しめる町のカフェに。夜は日本人シェフによる日本特有のセンスと旨味が効いた創作料理をいただける、と世界中の美食家が訪れる。料理、ナチュラルワイン、コーヒー。それぞれの分野を極める各国の才能は、ハイクオリティな美食さえアクセシブルなものにしてくれる。