3つのポイント
1.「体験」を重視した茶芸館やカフェを併設。
2.ヨガやDJパーティなどイベントを開催。
3.サステイナブルデニムなどブランド育成事業も。
五感で楽しむカルチャースポット
タピオカミルクティーをはじめ、台湾の喫茶文化は台中が発信地とされる。2021年秋にオープンした〈留白計畫〉は、茶芸館やカフェなどのほか、セレクトショップやギャラリーが入った複合施設。これまでに数々のイベントを催し、わずか1年で来場者数が10万人を超えるほどの人気を誇っている。
「留白」とは「余白を残す」という意味。創業者の王奕翔(ワン・イーシアン)は「スピードが重視される現代社会だが、あえて歩みを緩め、生活の中に余白を作ってほしい」と語る。伝統文化や現代アートの奥深さに触れてもらうべく、ユニークな体験を企画。茶芸館では台湾茶の香りをイメージした創作音楽を聴きながら茶葉を選び、カフェではコーヒーの風味を表現したドライフルーツや花の香りを嗅ぎ豆の特色を知る。バリスタに教わりドリップコーヒーを淹れるコーナーも。また参観者が自由に落書きできるアート展示や、イヤホンを装着して楽しむディスコパーティなど、一風変わったイベントも開かれている。
若者によるブランドの育成も手がけており、サステイナブルな生産にこだわるデニムブランドやフラワーショップなど、各種ブランディングもサポートしている。今後は台北にも展示スペースを設けるほか、各地で老若男女がデニムを穿いてパレードするユニークな催しも企画中とのこと。地方都市で生まれたカルチャーが、メインストリームで新たな流行を創り出す好例となっている。