封筒にもロマンは詰まっている
ZINE『収集百貨』の宇田川です。第2回は私の専門分野(?)でもある「封筒」について。
封筒の内側の柄、気にしたことありますか?この柄は「地紋」といって、請求書や納品書が透けないために封筒の内側に施されている細かいパターンです。アノニマスで無口だけど完璧に機能している、意匠のないデザインにグッときます。
今回紹介するのはサンフランシスコ水道局の封筒。地紋は、手描きのような不揃いの極細バイアスチェック。公共料金や自治体系の「働く封筒」は、地紋はもちろん面構えもハンサム。スタンプの位置やマドのかたちまで完璧。
地紋は、20世紀初頭〜中頃に作成されたものが多かったりします。MacなどのDTPがなかったこの時代に、印刷物のフォントを指定する「写植」の帳面には、その当時デザインされた数々の地紋の見本がずらっと並んでいたりするのです。
ちなみに私のコレクションは、お金がかかっていません。だって、捨てられてしまうものを集めているから!その封筒、捨てる前に内側を見てみてください!世界が広がっていますよ。