世界からお届け!SDGs通信 ウェリントン編。ワーク・ライフ・バランスの優良企業、〈パーペチュアル・ガーディアン〉

毎号、世界中から届いた旬の話題を紹介しているBRUTUS本誌の「ET TU, BRUTE? CITY」から出張企画。世界中の約30都市から、今一番ホットなSDGsに関する取り組みをお届けします。今回はウェリントンから!

text: Mari Clothier / edit: Hiroko Yabuki

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時短勤務ながら、業績アップをしっかり実現!週4日勤務成功のお手本〈PERPETUAL GUARDIAN〉

遺言信託企業の大手企業、パーペチュアル・ガーディアン社は、同年3~4月の8週間にわたる試験期間を経て、2018年11月に、正式に週に4日の時短勤務を実現した。ワーク・ライフ・バランスを筆頭に、「仕事にどれだけ集中し、それがどれだけ業績に反映できているか」「自社への愛着度はどの程度か」といった質問を含むアンケートを行い、結果をスコア化。すると、スコアは週5日勤務時より各分野とも約20%伸びた。

スコアの高さは、社員の仕事への満足を反映していると、今回の調査の結果分析を担当した研究者の一人、社会理論を専門とするヘレン・デラニー博士は語る。同時に業績の向上にも通じているという。

時短勤務を取り入れる企業は増えているが、週5日勤務と同じ額の給与を支払っているところは少ない。しかし同社の給与は、週4日勤務であっても5日分。これは雇用契約を労働時間ではなく、どれだけの職務をこなすことができるかをベースに交わしているからだ。

同社の創業者、アンドリュー・バーンズ氏は、週4日勤務に価値を見出し、「4デー・ウィーク・グローバル」という非営利組織を立ち上げ、世界の企業に向けて週4日勤務を取り入れるよう呼びかけている。

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