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世界からお届け!SDGs通信 シンガポール編。ユニークな福利厚生を提供する〈Goodstuph〉

毎号、世界中から届いた旬の話題を紹介しているBRUTUS本誌の「ET TU, BRUTE? CITY」から出張企画。世界中の約30都市から、今一番ホットなSDGsに関する取り組みをお届けします。今回はシンガポールから!

text: Ayako Tada / edit: Hiroko Yabuki

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「自身が会社に望むこと」を提供する、福利厚生が自慢の〈Goodstuph〉

変わった福利厚生を提供している、と評判の企業がある。それが、ソーシャルメディアエージェンシー「Goodstuph」だ。注目されるきっかけとなったのは、毎月の理容費を会社に請求できる、というもの。なんとブラジリアンワックスや眉毛サロンも含まれるというから驚きだ。「整えられた身なりは、プロフェッショナルである印象を取引先に与えることができますから」と、創業者のパット・ローは理由を話す。

これ以外にも、スパのクーポン券と有休が当たる抽選の実施や、国内人気カフェでのバリスタ養成講座が受講可能、精神的にキツいと感じたら理由を申請せずに休んでOKといった項目も。2022年にはタイに「GOOD HAUS」という名の保養所を開設し、旅でリフレッシュしながらのリモートワークで、仕事の効率アップが図れるようにしたり、2年以上在籍する社員は取引先と利益をシェアし、享受することができる「LOOT Day」を新設したりと、同社の福利厚生は盛り上がり続けている。

「弊社の経営陣は、いずれも過去に従業員の立場を経験しています。当時、会社にしてもらいたかったと感じたものを、いま、社員に提供しているのです。人間の個性は環境によって形成されるといいますが、我々は、環境がその人の個性を表面化させる、とも考えています。心地よい労働環境を整備することで、社員一人一人が個性を発揮することを願っています」とパット。

社員の反応を聞くと、「携帯電話の利用料の経費請求と違い、『マストハブか?』と聞かれたら、そうでない福利厚生も多く用意されています。でも、自分たちを甘やかす、蜜のようなサービスが受けられる可能性がある会社は特別に感じられますし、仕事を頑張るきっかけになります」と、好評とのこと。最後に、今後の福利厚生の構想について尋ねたところ「Dover Street Marketでのワードローブ調達資金補助なんかもやりたいなあ。でも、それにはまず彼らに我々のクライアントになってもらわなければね(笑)」との返答。働きやすい環境づくりへの意欲は増すばかりだ。

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