Learn

Learn

学ぶ

世界からお届け!SDGs通信 ソウル編。廃材をアートに生まれ変わらせるスカルプチャー作家

毎号、世界中から届いた旬の話題を紹介しているBRUTUS本誌の「ET TU, BRUTE? CITY」から出張企画。世界中の約30都市から、今一番ホットなSDGsに関する取り組みをお届けします。今回はソウルから!

text: Reiko Fujita / edit: Hiroko Yabuki / photo: ©LEESONGJOON. All rights reserved

連載一覧へ

ステンレス食器やカトラリーでアップサイクルアートを制作

韓国で広く使用されているステンレス製のごはん容器やボウル、スプーンやフォークなどのカトラリー。スカルプチャー作家のイ・ソンジュンは、これらを廃業した飲食店や古道具店から集めてアート作品に生まれ変わらせている。

「“自分ひとりだけでも資源の消費を抑えたい”と思ったことをきっかけに、使われなくなったものや捨てられたものに関心を持つようになりました。韓国のステンレス食器は特定のブランドもなく、ステン器、ステンスプーン、ステン箸と呼ばれています。こうした身近なアイテムを活かして、創作活動を行っています」

韓国全土で幅広く個展やグループ展を開催しており、ウシやウマ、ゾウなどの野生動物、オオワシや小鳥たちなどの動物オブジェは子どもたちにも人気が高い。大型の作品には、数千個におよぶ廃ステンレス食器が使用されているという。

彼が伝えたいメッセージは“日常の価値”。「特別であることだけが価値ある人生なのではなく、私たちの普遍的な日常にこそ価値があるということを、作品を通じて伝えていきたいと願っています」とその想いを語ってくれた。

連載一覧へ