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世界からお届け!SDGs通信 バルセロナ編。海洋保護を訴える国際派俳優ハビエル・バルデム

毎号、世界中から届いた旬の話題を紹介しているBRUTUS本誌の「ET TU, BRUTE? CITY」から出張企画。世界中の約30都市から、今一番ホットなSDGsに関する取り組みをお届けします。今回はバルセロナから!

text: Yuki Nakamori / edit: Hiroko Yabuki / photo: Christian Aslund / Greenpeace

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自ら潜り、南極海の生態系に感動!海洋保護を訴えるハビエル・バルデム

ハビエル・バルデムはスペイン人で初めてアカデミー賞のオスカーをとった俳優である。カナリア諸島生まれ、マドリード育ち、祖父母、母も俳優の芸能一家に生まれた。海が好きであり、環境活動家としても活躍している。2018年1月には環境保護団体グリーンピースの調査に同行し、南極の海の美しさについて語るドキュメンタリー短編映画『Santuario(サントゥアリオ、保護区の意味)』を撮った。脚本は俳優でもある兄のカルロス・バルデム、そして、映画監督のアルバロ・ロンゴリアも協力し、南極まで同行した。

定員2名の小さな潜水艦で南極海の270メートルの深さまで実際に潜り、南極の海底の生態系の美しさに感動し、海洋保護区をつくろうと10分ほどの映像内で訴えたバルデム。2020年に公開されたが、現在でもグリーンピースのYouTubeチャンネルから観ることができる。もし実際にこの海洋保護区が実現すれば、世界最大のものとなる。

バルデムは2019年に国連のイベントで海洋保護の重要性を語るスピーチをしたりと現在も海洋保護のために積極的に活動している。そして、その願いも叶い、10年ほど議論が続いていた海の憲法と言われる国連海洋法条約の草案が2023年3月に合意された。これにより、2030年までに海の30%が保護区に指定されることとなる。バルデムもこの歴史的な出来事について自身のSNSを通してメッセージを送り、大きく祝った。

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