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世界からお届け!SDGs通信 メキシコシティ編。難病の子どもたちの夢をかなえる財団

毎号、世界中から届いた旬の話題を紹介しているBRUTUS本誌の「ET TU, BRUTE? CITY」から出張企画。世界中の約30都市から、今一番ホットなSDGsに関する取り組みをお届けします。今回はメキシコシティから!

text: Miho Nagaya / edit: Hiroko Yabuki / 写真提供: ©︎AMORINFINITO

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夢は生きる力になる!バルバラ・モリによる、無限の愛をつなぐプロジェクト

スペイン語圏の多くの国で放映されたメキシコのドラマ『Rubí』や、ボリウッド映画『カイト』のヒロイン役として知られ、国際的に活躍する女優、バルバラ・モリ。日本とウルグアイにルーツを持ち、メキシコを拠点にしている。そんな彼女のもうひとつの顔が、財団〈AMORINFINITO〉の代表だ。

同財団は、共同代表でもあるモリの代理人のオスカル・アギーレとともに2012年に創設。その活動は、死の危険がある難病を抱えていたり、終末期を迎えている3歳から18歳までの子どもたちの夢をかなえる手助けをすること。

小児科学研究所とも提携して、候補者を選び、その子どもたちのなりたいもの、会いたい人、行ってみたい場所をリサーチする。そして、「飛行機の操縦士になりたい」「好きなサッカーチームのメンバーと会いたい」「水族館に行って魚に触れたい」といった子どもたちの願いを、企業や芸能人、アーティスト、スポーツ選手らと協力して実現するのだ。

この活動を通しての精神的な充足が、子どもたちの健康にも良い影響を与え、その家族にとっても、かけがえのない時間を共有できる機会となる。いままでに390以上の夢をかなえ、4000人以上の子どもたちと関わってきた。財団ホームページに記されたモリの言葉が印象的だ。「子どもたちが少しでも困難な状況を忘れて、笑顔を見せた時に、私の魂は満たされます。それが、私たちが人類を助け、奉仕するためにこの世界に生まれた理由だと感じるのです。そして、私たちの活動はそのための一つの方法にすぎません」

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