Learn

世界からお届け!SDGs通信 ベルリン編。高等教育を均等に受ける機会を増やす「連邦教育訓練支援法」

毎号、世界中から届いた旬の話題を紹介しているBRUTUS本誌の「ET TU, BRUTE? CITY」から出張企画。世界中の約30都市から、今一番ホットなSDGsに関する取り組みをお届けします。今回はベルリンから!

text: Akiko Watanabe / edit: Hiroko Yabuki

連載一覧へ

ドイツにおける教育への投資。すなわち、生活の心配なく学業を優先できる環境をつくる

現在ドイツ国内では様々な学生ローンや奨学金などのオプションが存在するが、なかでも最も広く知られる「連邦教育訓練支援法」(通称BAföG)は、高等教育制度を均等に受ける機会を与えるため、1971年に制定された連邦による奨学金のシステムだ。

援助額の半分は国からの助成金で、残り半分は無利子のローン(最大額1万ユーロ)から成り立っている。文字どおり高等教育を通して資格取得などの訓練過程にある学生をサポートし、その学業を完了するための支援で、条件は30歳以下であること。

さらに両親や親族、もしくは配偶者やパートナーによる金銭サポートを受けることが困難な状況にあるケースが対象となる。申し込みの際、必要な健康保険や身分証明書の他、収入証明および貯金額、そして家族の収入証明の提出を求められた場合は合わせて準備する必要がある。

そもそもドイツでは大学の学費が無料なので、この奨学金は主に生活費のサポートとなり、援助を受ける学生は安心して学業に専念し、修了することができる。元来はドイツ人学生のみが対象としていたが、現在は条件は全く同様ではないもののEU外の外国人学生もこの制度を利用することが可能だ。

連載一覧へ