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シネマコンシェルジュの映画監督論:人間食べ食べカエル「創り上げられた監督独自の作品世界に、どっぷり浸る。」

巨匠から新鋭まで、素晴らしい監督たちが次々と登場する今、観るべき監督を知るには、やっぱり信頼できる映画通の後ろ盾が欲しいもの。独自の審美眼で映画シーンを追いかけ続ける30人に頼ることに。

Illustration: Thimoko Horiguchi / Text: Yoko Hasada, Aiko Iijima, Saki Miyahara, Konomi Sasaki / Edit&Text: Emi Fukushima

映画好き人間食べ食べカエルへ7つの質問

Q1

あの監督の虜になった名シーンは?

人間食べ食べカエル

『デッドロックⅡ』のスコット・アドキンスがガイバーキックをキメるシーンでアイザック・フロレンティーン監督の虜に。角度、一瞬のスローモーション、すべてが完璧。格闘アクションの天才。

Q2

好きな監督のベスト作品は?

人間食べ食べカエル

オキサイド・パン、ダニー・パン監督の『リサイクル -死界-』です。ホラーとファンタジーが溶け合う唯一無二の世界観が最も色濃く感じられる作品です。

Q3

好きな監督のイマイチだった作品は?

人間食べ食べカエル

アイザック・フロレンティーン監督『コールド・バレッツ 裏切りの陰謀』。非格闘俳優のクリスチャン・スレーターが主演というのもあり、普段のキレ味はなく。

Q4

最近になって魅力的に感じるようになった監督は?

人間食べ食べカエル

ウィリアム・ユーバンク監督です。最新作『アンダーウォーター』で完全に覚醒。『ザ・グリード』に並ぶ海ホラーを作るとは。

Q5

あの監督に撮ってほしい、意外なテーマは?

人間食べ食べカエル

ローランド・エメリッヒ監督のコメディ。『ホワイトハウス・ダウン』の会話劇では大爆笑でした。あれが作れるならイケるかと。

Q6

個人的に今気になっている監督は?

人間食べ食べカエル

インドネシアのジェームズ・ワン(と個人的に呼んでます)ことロッキー・ソラヤ監督。顔の濃い呪い人形が出てくる『ザ・ドール』シリーズなど、サービス精神過剰なホラーならば最強です。

Q7

将来が楽しみな次世代の監督は?

人間食べ食べカエル

ジョー・べゴス監督です。ジャンル映画好きの中では既に知名度がありますが、『Bliss(原題)』と『VETERAN ヴェテラン』が面白すぎました。毎度面白さを更新しています。

2010年以降の「この監督のこの一本」。
リチャード・スタンリーの『カラー・アウト・オブ・スペース -遭遇-』

鬼才が生み出した、極彩色の悪夢を観る。

リチャード・スタンリー監督が生み出すイメージは強烈だ。デビュー作品の『ハードウェア』は素晴らしかった。荒廃したサイバーパンクな世界や殺人ロボットのビジュアルはいまだに色褪せない格好よさ。ロボットと女性がマンションの一室で殺り合う設定も最高だ。

その後1992 年に『ダスト・デビル』を手がけるが、96年の次作『D.N.A./ドクター・モローの島』をクビになってから、監督作は途絶えていた。しかし2019年、なんと彼が再び新作を撮った!それが『カラー・アウト・オブ・スペース -遭遇-』だ。ラヴクラフトの小説『宇宙からの色』を映像化した作品だが、これがすさまじかった。

作品のキモとなる、毒々しく鮮やかな“色”を見事に映像で表現。ニコケイさんのブチ切れ演技も合わさり、観る悪夢が誕生した。植物が、アルパカが、人間が醜く変異する後半はインパクト抜群なシーンの目白押し。ブランクを感じさせないどころかさらに進化したすさまじいイメージが炸裂する、バッドトリップ必至の大傑作だ。

ちなみにスタンリー監督、姿を消していた20年の間は聖杯を探していたとのことです。最高だ……。