シネマコンシェルジュの映画監督論：加藤るみ「新作から過去作へ、監督の軌跡を通してタイムトラベル」

あの監督の虜になった名シーンは？

ドリュー・バリモアの初監督作『ローラーガールズ・ダイアリー』より、エレン・ペイジ演じる主人公が初恋の相手と繰り広げるプールでの水中キスシーン。後世に語り継ぐべき名シーンです。

好きな監督のベスト作品は？

ウディ・アレン監督『ローマでアモーレ』。シニカルなセリフ回しには“ウディ・アレン節”が効いています。ヨーロッパ編で一番好きな作品で、ここからさらにキレが増した気がします。

好きな監督のイマイチだった作品は？

同じくウディ・アレンの『マッチポイント』。結末に救いようがなくて、お馴染みのシニカルなユーモアも感じられず……。大好きなスカーレット・ヨハンソンにも不思議とグッときませんでした。

最近になって魅力的に感じるようになった監督は？

今までソフィア・コッポラの作品はいまいちハマらなかったのですが、新作『オン・ザ・ロック』で射貫かれました。今まで浮世離れしていた“ソフィアだけの物語”が“私たちの物語”に開かれたという感動がありました。

あの監督に撮ってほしい、意外なテーマは？

タイカ・ワイティティ監督にゾンビ映画を撮ってほしいです。

個人的に今気になっている監督は？

デスティン・ダニエル・クレットン監督です。

将来が楽しみな次世代の監督は？

ジョー・タルボット監督。『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』で長編デビューをしたのですが、貧困や人種問題などの社会の二面性を圧倒的画力で語り、デビュー作とは思えない貫禄。もはや巨匠の風格です。