【訊いた人】
坂上陽子(『文藝』編集長)
戸井武史(『群像』編集長)
浅井茉莉子(『文學界』編集長)
杉山達哉(『新潮』編集長)
Q1.文芸が好きになったきっかけの一作は?
文藝(坂上)
金井美恵子『小春日和』。
群像(戸井)
大江健三郎『個人的な体験』。
文學界(浅井)
河野多惠子『みいら採り猟奇譚』。
新潮(杉山)
町田康『くっすん大黒』。中学生の頃なにげなく手に取り、日本語はこんなにも自由でいいんだと衝撃を受けました。
Q2.文芸誌を編集するうえで一番大切にしていることは?
文藝(坂上)
気力・体力・時の運。
群像(戸井)
小説を大切にする。その周りに、いろんなジャンルの文章や言葉に住んでもらう。
文學界(浅井)
「今」の取り入れ方。遅延するメディアなので。
新潮(杉山)
物語や論旨の展開にしても、細部の表現にしても、「紋切り型」は避けるよう注意しています。
Q3.文芸誌のおすすめの読み方は?
文藝(坂上)
斜め読み、つまみ食い、行き当たりばったり。
群像(戸井)
テーマパークの地図を見るように、まず目次を眺めます。全体の雰囲気を感じながら、気になったものがあればそこへ。
文學界(浅井)
とりあえず、表紙と目次をゆっくり眺めてほしいです。
新潮(杉山)
エッセイなど短い原稿から読み、書き手の表情を想像してみては?
Q4.文学の面白さはどこにあると思いますか?
文藝(坂上)
人間との出会い。
群像(戸井)
正解やゴール、結果、というようなものがそぐわないところです。
文學界(浅井)
書くのも読むのも一人でしかできないところ。
新潮(杉山)
読書を通じて、未知の自分と出会えること。
群像

出版社 講談社
発売日 毎月7日
定価 1,500~1,650円
編集長 戸井武史
創刊 1946年10月
連載作家 阿部和重 いしいしんじ 井戸川射子 円城塔 高橋源一郎
ブレイディみかこ 保坂和志 町田康 松浦寿輝 ほか
新潮

発売日 毎月7日
定価 1,200円
編集長 杉山達哉
創刊 1904年5月
連載作家 市川沙央 小山田浩子 梯久美子 重松清
高山羽根子 千葉雅也 辻原登 宮本輝 ほか
文學界

発売日 毎月7日
定価 1,200円
編集長 浅井茉莉子
創刊 1933年10月
連載作家 松浦寿輝 井戸川射子 津村記久子 藤野可織 鈴木涼美 松尾スズキ ほか
文藝

発売日 季刊(1月・4月・7月・10月の7日)
定価 1,540円
編集長 坂上陽子
創刊 1933年11月
連載作家 町田康 皆川博子 柳美里 円城塔 岸本佐知子 いとうせいこう 岸政彦 ほか