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〈カサブランカ〉デザイナーのシャラフ・タジェルと巡る東京ワーク服の店

サービス業のためのユニフォーム店、作業員を支えるプロショップ、ワークウェアをアーカイブ的な側面から伝えるアパレルショップ。 ファッション業界人からも熱視線が送られる理由を探るべく、〈カサブランカ〉デザイナーのシャラフ・タジェルと、実際に訪ね歩いた。

photo: Akira Yamada / text: Naoto Matsumura

日本のユニフォームはどれも
細かい部分への気配りがすごい

ラグジュアリーなデザインを得意とするパリの新進ブランド〈カサブランカ〉を手がけるシャラフ・タジェルさんと向かったのは合羽橋方面。ホテル・飲食店などの制服を揃える『セブンユニフォーム』と、作務衣を扱う『こうたりや』が目的地だ。ユニフォームとタジェルさんの関係は遠いようで近い。

〈カサブランカ〉ではインドのホテルの制服から着想を得た服や富裕層が集うテニスクラブのユニフォームをイメージした服を作るなど、共通点は多い。

〈CASABLANCA〉デザイナー・シャラフ・タジェル

「パリは工事現場で仕事をしている人もほとんどはTシャツにジーンズで、安全靴を履いているくらい。だから日本の働く人の服は統一されていてかっこよく見えるんだ。

僕自身が経営するパリのナイトクラブ『ル・ポンポン』の従業員用にエプロンを作ったことがあるからわかるんだけど、『セブンユニフォーム』にある〈HAKUÏ〉の商品は特に縫製が美しくデザイン性も高いね。日本の有名なデザイナーが手がけているというのも頷ける。

僕のブランドではフランスのおばあちゃんが着ているトラディショナルなジャケットをメンズ服に解釈して作っていたりするから、『こうたりや』にあった伝統的なコートには興味をそそられた。袖口が広がっていたり、カジュアルウェアにはないディテールがあって面白い。

ユニフォームというとシンプルなものを思い浮かべるけど、日本のものはどれも細部までこだわっている。自分もホテルの制服を手がけたくなった」

台東区〈セブンユニフォーム キャリアショップ〉店内
「シャツ袖の仕立てを見れば、縫製に抜かりがないことがわかる」とシャラフさん。すべてが日本で作られていることをスタッフから聞くと、「スゴイネ!」と日本語で返答。
指ソックス
足袋にも注目したシャラフさんだったが、さらに興味を持ったのが親指とそれ以外が分かれた指ソックス。スタッフから「通常のソックスより暖かい」と聞き、早速2足をお買い上げ♪
〈CASABLANCA〉デザイナー・シャラフ・タジェル

シャラフさんデザインのウェア!

〈CASABLANCA〉2019AWコレクション
2019 AWコレクションにはモノグラムのオーバーオールや、サステイナブルなフェイクムートンのミリタリージャケットなど、ワーク服を新解釈したものも。
〈CASABLANCA〉2019AWコレクション
インド・ダージリンにある高級ホテルのユニフォームから着想を得たデザインがこちら。