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小説『大どろぼうホッツェンプロッツ三たびあらわる』で味わうキャンプ料理〈ニンニクどっさり どろぼうグリル〉

無人島で、深い森で、静かな川辺で。物語に描かれた憧れのキャンプ料理を、料理ユニット・オカズデザインが想像力というスパイスを加えて再現します。

Photo: Kasane Nogawa / Text: Saori Takagi / Edit: Yuriko Kobayashi / Cooking: Okaz Design / Styling: Mariko Nakazato

  カスパールのナイフをつかって、ホッツェンプロッツは、いろいろな薬味を小さくきりきざみ、それをフライパンに入れて、かきまぜました。一すると、すぐにおいしそうなにおいが森の中にひろがっていきます。カスパールとゼッペルは、口の中につばがわいて

「いただきます!」

少年たちは、どろぼうのごちそうを、指でたべるのです。そのために、いっそうおいしくおもいます。カスパールのおばあさんは、料理がとってもじょうずです。それはもう、ぜんぜんうたがいの余地はありません。しかし、どんな大きな祭りの日でも、おばあさんが、カスパールとゼッペルにこんなにすばらしいごちそうをつくってくれたことは、まだ一どもありません。一それに、タマネギがこんなにどっさり、ベーコンもこんなにどっさり、そして、なによりもかによりも、ニンニクがこんなにどっさりあるなんて。

オトフリート・プロイスラー
『大どろぼうホッツェンプロッツ三たびあらわる』より

厚切りベーコンと皮付き野菜を豪快に。

「ベーコンやニンニクがどっさり」という描写が何とも食欲をそそるシーン。

どろぼう料理らしい豪快さを大切に、「おいしそうなにおいにつばがわいてくる」香ばしいグリルに仕上げました。

物語通りに細かく刻むと繊細な印象になってしまうので、ベーコンは厚切り、小タマネギとニンニクは皮のまま丸ごと使用。ジャガイモも加えてドイツ料理らしくアレンジしました(原作はドイツの物語なので)。

深めのフライパンに材料と、それらが半分程度ひたるまでサラダ油を注ぎ、低温度でじっくりと揚げ焼きにします。味つけは塩コショウのみ。お酒が好きな大どろぼうも大満足な、ビールによく合うグリルです。

オトフリート・プロイスラー『大どろぼうホッツェンプロッツ三たびあらわる』より、再現して作られた〈ニンニクどっさりどろぼうグリル〉