乙女座の星模様
聡明で優しい
水瓶座新月・満月が起こっている場所は、乙女座にとって「日々の仕事・サービスの部屋」であり、自他ともにケアすることや奉仕することを意味する場所です。これまでの半年間は、「実践的な愛」や「適切な働き方」が課題となっていました。
乙女座は「普遍的な正しさ」を想定しているが故に、人をサポートする際、その関わり方で悩んだかもしれません。何にでも方程式のような思考を当てはめて「解」を探そうとするため、ときにシンプルな現実を見落としてしまいます。
水瓶座満月は、そんな乙女座に、「多様性」や「パーソナライズされたケア」という感覚をもたらします。
自分が無理なく役に立つ範囲を再確認できそうです。奉仕の精神で働く喜びも噛み締められるでしょう。
それに加えて、小さな幸せを見つける大切さ、日常生活の中に愛を込める尊さにも気がつきそうです。
また、乙女座にとって「自分自身」を表す場所に、火星(意欲・闘争心)が運行しています。この火星に木星が調和的に繋がり、自分を鍛錬していくことに意欲的になり、数段上のレベルに行きたいと考えるかもしれません。
火星と同じ場所に水星も運行中で、これには逆行中の土星が緊張状態でコンタクトをとってきています。それによって、目の前の相手の欠点が目について少しイライラしてしまうかもしれません。けれどそこで大人になって、優しさを持ってフォローできると吉です。
今週の全体の空模様
僕が僕であるために
「人類の道程は遠い/そして其の大道はない/自然の子供等が全身の力で拓いて行かねばならないのだ/歩け、歩け/どんなものが出て來ても乘り越して歩け/この光り輝やく風景の中に踏み込んでゆけ/僕の前に道はない/僕の後ろに道は出來る」
──高村光太郎「道程」より
2日は、水瓶座エリアで満月が起こります。満月は、新月で蒔いた種の実りを収穫するとき。今週は、1月22日の水瓶座新月からフォーカスしてきたことが「満ちる」ようなタイミングです。
水瓶座新月で定められたテーマは、「大切にしている価値に立ち戻る」でした。そこから半年をかけて自分の価値観を突き詰めていった結果、どこにも属さず、何者でもない、シンプルな「自分」という存在に辿り着けそうです。
その「名前のない自分」こそが、クリエイティビティを支え、人生を豊かにする軸となっていくのです。
満月では、世間でまことしやかに喧伝されている言説を批判し、本当に大切なものだけを思うことができるようになっているはずです。
これまでの半年間では、苦境に追い込まれたり、自分の限界を感じるようなことに直面したりしたかもしれません。しかしそういった経験から、人生において大切なことに気がついたのでしょう。
「小さな日常を創造性で満たし、喜びの光を体いっぱいで感じること」。それが生きているということの本質かもしれないと、実体験をもとに理解が進んでいるところではないでしょうか。
今週の満月には、水星(知性・コミュニケーション)と土星(責任・社会性)との緊張感のあるリンクも関わってきます。
「個人の日常の幸せ」と「国家権力などの大きなものが欲するもの」とのバランスについても、考えることになりそうです。
さらに今週、冥王星と海王星の2天体が逆行しながら互いにコンタクトを取ります。
冥王星は公転周期が約20年と占星術の中で最も長く、その分広い範囲のものに関わります。例えば「世相」や「運命」です。いっぽう海王星の周期は約13年で、この星は集団の心理状態に作用するテーマを表します。
そのため、この2天体がコンタクトを取る期間は、過去のおよそ20年間を振り返る期間となります。ともするとそれは、「これまで」を総ざらいしながら、今世の中に流れている情報を疑うことかもしれません。
自分の価値観は誰かに刷り込まれたものにすぎないと気づき、それを解体していくことにもなりそうです。
窓の外に感じる、予測不可能な自然の存在。〈TAKT PROJECT〉代表・吉泉 聡が語る窓