蠍座の星模様
柔よく剛を制す
脱皮して育ち、また脱皮して育ち、また……と自己変革を強制的に促されるハードな期間が続いています。我慢強い蠍座ですが、内心では「もう無理!」と叫ぶこともあるでしょう(次から次へと難題〈仕事〉がやってきて、こなしてもこなしても、また次がやってくる辛さ)。
しかし、夢中になって敵を倒し続けると、気がつくと自分のレベルが10から100までUPしているはず。
獅子座火星・金星VS木星牡牛座は、蠍座にとっては大きな影響がありそうな配置です。仕事運は良すぎるかもしれません。やりがいや意欲もあるはずです。でも、量が多くなって途方に暮れるような状態になりやすいのです。
この窮地を助けるキーワードは、土星からやってきます。木星と調和的に繋がる土星は、蠍座にとって「クリエイティブ」「自己実現」「喜び」を意味する場所にいます。
「信頼関係を結び、仲間で取り組むこと」「他者の中に宝がある。それを積極的に取りに行くこと」とメッセージを送ってくれます。焦らずに進めば、活路は開かれていきます。
太陽は「他者と強く繋がること」「繋がることで自己変革を進める」を意味する場所を運行しています。人に対して、どのようなコミットメントが自分にできるのか、立ち止まって考えること。そうすることで良い案が浮かんだり、強い味方を得たりできそうです。
今週の全体の空模様
見えない戦火
「私は夏の緑をみると、「現実をうけいれよう」という気持ちになる。うけいれあぐねるほど複雑な現実があるわけではないのだが、それでもとにかくいろんなことを、怖がらずにみんなうけいれよう、と思うのだ。」
──江國香織『夏の緑』
今週、太陽は他の主だった天体とコンタクトを取らない状態を続けます。
それはさながら、ひとりで物思いにふけっているよう。見晴らしの良い丘の上に静かな図書館があり、そこには自分(太陽)以外誰もいません。
この太陽は、人ごみにいると周りから影響を受けすぎてしまうので、自分を取り戻すために、喧騒から離れたところに身を置いているのです。そこには、世の中の動きを静観する姿勢も見られます。
牡牛座エリアを運行する天王星と水星が、ぴったり重なり合っています。隠されていた重要なものが姿を現すときです。鋭い意見で社会を揺るがす人も出てくるでしょう。
水星=伝令神ヘルメスが衝撃的なニュースを運んできます。地道に生きる人たちの目を覚ます電撃的な一撃のよう。人々の怒りの導火線に火がつくかもしれません。
喧騒の中にいるのは火星のようです。その隣には金星も控えています。この2天体が、牡牛座エリアでのびのびと過ごす木星に激しくぶつかっていきます。
天体は、良い意味も悪い意味も両方持っています。ポジティブな面が強く出過ぎてネガティブに転じることもあります。
火星は「意欲」「勇気」「決断力」などの意味を持ちますが、「戦争」「武力」「事故やトラブル」といったものも表します。
金星も、「愛と美」「喜びと豊かさ」を意味する一方、「耽溺性」や「甘やかし」の意味も持っています。特に明けの明星としての金星は、古代から「戦いの女神」になぞらえられてきました。
今週は奇しくも、「戦い」に通ずる2天体が、木星に厳しい角度で繋がっているのです。
木星は「成長拡大」を司り、「善悪を区別せずになんでも肥大化する」という面も持ちます。牡牛座にいるときには、幸運と繁栄の星としての力を発揮しています。人々が安心してご飯を食べられる環境を保ち、心身の安全を守ろうとしているのです。
そんな木星に「戦い」の2星がぶつかり、その火花が木星の作用で激しく飛び散るので、戦乱によって平穏な生活が脅かされる…そうでなくとも、軍備費拡大等で暮らしが圧迫される、といった光景が浮かびます。
けれど、火星や金星の良い面を強調した読み方をすれば、この配置は、「安定」(富裕層や既得権益など)の保護という姿勢(木星)を打ち砕くようにも見えます。せっかく言論の自由があるのだから、どんどん表現活動をしていこう!という情熱が滲み出ています。
一方で、魚座を運行する土星は木星牡牛座と調和的な繋がりを持ち、その支えとなっています。困難にあっても、良いことを探し、信じられるものを見つけることができるでしょう。労り合いや支え合いは絵空事ではないと、善意を信じて平和を祈る気持ちが溢れてきそうです。
11日、逆行中の冥王星が山羊座エリアに戻ります。それにより「古い社会」や「古い基準」について振り返り、調べて知っていくようなことが起きそうです。
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