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東アジアの最前線ZINE&アートブックの世界

クィア、LGBTQ+、ジェンダー、多様性を発信する5冊に迫る。

Photo: Ryu Maeda / Text: Daiki Yamamoto


セクシュアリティやジェンダーをテーマにしたアジアの出版物が揃うブックストア&ライブラリー〈loneliness books〉。店主の潟見陽さんは、数年前から韓国や台湾など東アジアの国々から生まれるZINEやアートブックを収集している。

「東アジアでは日本よりもLGBTQ+やフェミニズムへの取り組みが、数歩先に進んでいて、若者たちがそれぞれのジェンダーに対する思いをZINEなどで発信しています。それに、同じアジアなら文化的にも身近だなと」(潟見さん)

韓国では2014年に保守系キリスト教団体の妨害によりソウル・クィア・パレード(LGBTQ+文化、権利の平等を主張するパレード)が妨害されるなど、性的少数派への抑圧が激しさを増していた。
また台湾でも2019年に同性婚が法制化されるまでは、同性婚賛成派と反対派との衝突が続いてきた。そうした社会への反発が、東アジアのZINEの活況の一因となったという。

「生半可な出版物では抑圧に負けてしまう。だからこそクリエイターたちも“社会へのカウンターとして強度のある出版物を作ろう”という意識で、優れたZINEを生み出しているんだと思います。デザインも素晴らしく、写真家やクリエイターのセンスも高い。言葉が理解できなくてもビジュアル表現で問題意識を伝えるものがとても多いです」

本ページで紹介するのは潟見さんが推薦する5冊。誌面を開き、新しい価値観に触れてみては?