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お悩みをアニメ映画で解決!観る常備薬 〜仕事編〜

人間、生きているといろんな悩みに直面する。そんな時は、アニメ映画を観てみよう。古典的名作から最新作まで、さまざまな示唆に満ちている。先生の“処方箋”には意外な解釈もあり、心を解きほぐしてくれるはず。

text: Akiko Yoshikawa

先生:川井久恵(『アニメージュ』編集長)、土居伸彰(アニメ評論家)

嫌な上司に困ってます

伯爵を追い詰めるルパンを観よ!

(川井)

『ルパン三世 カリオストロの城』

カリオストロ伯爵は、部下が作った偽札にダメ出しして作り直させるのに、締め切りは変えない。今なら間違いなくパワハラです。あんな伯爵の下で働いていれば、伯爵を追い詰めるルパンの活躍は痛快なはず。

自分がルパンのように嫌な上司をやっつけることができればいいけど、いつかルパンが来てくれると信じて頑張るのもありではないでしょうか。

サバイバルのつもりで生き残る

(土居)

『日本沈没2020』

嫌な上司がいたとしても、日本が沈没することに比べればマシ!と思えるはず。日本が沈没すれば会社も沈没してしまうわけですし。

また、上司との関係性をサバイバルと捉え、歩(あゆむ)のようにそこから生き延びるために試行錯誤してみるのもいいんじゃないかと。あれこれやっていくうちに、打開策が見えてきたり、新しい未来が訪れたりするかもしれません。

映画『日本沈没2020』
©"JAPAN SINKS: 2020"Project Partners

仕事へのモチベーションが持てません

煉獄さんの生きざまを心に刻め!

(川井)

『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』

煉獄杏寿郎(きょうじゅろう)の生きざまを観て、責務は全うするもの!と肝に銘じましょう。鬼は待ってくれないので、「モチベーションが〜」なんて甘ったれたことを言っている場合じゃないし、相手が鬼じゃないだけマシです。とはいえ、会社に鬼が潜んでいるかもしれませんが。

炭治郎のように、「負けてない!」と口に出し、気持ちを強く持ちましょう。

仕事は世界を学ぶ機会と捉えて。

(土居)

『ペンギン・ハイウェイ』

仕事への関心や興味を失っている人は、探究心の強いアオヤマ君を見て、あらゆる仕事に付随することは、世の中の何かしらについて学べる機会と捉えてみては?

研究を重ねていけば、仕事が興味深いものにつながるはず。自分が当たり前と思っていたことは実は当たり前じゃない。それが見えてくるのが研究の素晴らしさ。人生=研究で楽しいライフを!

映画『ペンギン・ハイウェイ』
©2018 森見登美彦・KADOKAWA/「ペンギン・ハイウェイ」製作委員会

上司と部下の間で板挟みにされています

中間管理職の艦長から学ぼう。

(川井)

『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』

ホワイトベースの艦長ブライトは、地球連邦軍の上層部からはあれこれ言われ、部下からは嫌そうな顔をされ、まさに板挟み状態。

でも、失踪したアムロの捜索中に上層部から別の戦線に向かうよう命令された時は反発します。彼を反面教師にして「要領よくやろう」と思うもよし、彼のように振る舞うもよし。

大義があれば乗り越えられる!

(土居)

『エヴァンゲリオン劇場版 DEATH(TRUE)2/Air/まごころを、君に』

本作はTVシリーズの総集編「DEATH編」と、完全新作の最終2話「Air」「まごころを、君に」をまとめたものです。この旧劇場版を挙げたのは、ネルフ本部の面々に注目したいから。

彼らは人類を守るという大義の一方で、亡き妻に会いたい、愛人がいる、親の愛情に飢えているなど、人間くさい悩みを抱えています。それでも、自分をコミットさせたいと思える大義があれば熱くなれる。

また、厳しい上司も、実は彼らだって人間で、しょうもない人たちなんだと思うことができれば気が楽になる。どんなに厳しい状況でも生きていかなきゃいけないと、再認識できるはず。