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宮城〈unum〉オフィスビルの最上階に広がる、非現実的なショッピング空間

地方のセレクトショップがますます面白い。ブルータスが主観で絞り込んだ、とっておきのお店をご紹介します!

Photo: Daisaku Ito / Text: Shigeo Kanno

オフィスビルの最上階に広がる、
非現実的な空間。

どこの都市にでもありそうなオフィスビル。目印となるのは染色したクワズイモの葉の看板。エレベーターで7階に上がりドアを開けると、思いもしない内観にあっと驚く。緊張感さえ漂う独特の雰囲気の店内を見渡すと、奥にオーナー・岡元勇輔さんの姿があった。

宮城〈unum〉店内
山形の窓とヴィンテージのシャンデリアが教会のような雰囲気。

このセレクトショップ〈ウヌム〉は、岡元さんが地元・仙台で2018年に開業。バイイングから接客まで、すべてを一人でこなしている。“自分が着たいと思う服”という、シンプルな基準で選ばれたアイテムは、生地や染色技術に特徴を持つ国内ブランドが中心だ。

「以前は、海外を含め幅広いブランドを着ていた時期もありましたが、近年は、特に日本のブランドの魅力に惹かれています。ハイブランドに劣らない質のいい生地や伝統的な作り方で丁寧に仕立てられた服が、まだまだあります」と話す岡元さん。確かに店内に並べられたアイテムを見てみると、知らないブランドが非常に多い。

バイイングは、製作者のもとを訪れ、直接話を聞いて、レイアウトやラインナップのバランスを重視することよりも、自分の直感に任せてセレクトすることに重きを置いているという。

「結局、自分が好きな服を選ばないと、接客時に服の良さをうまく伝えられないんです。だから、自分自身が強く感銘を受けたものを選ぶようにしています」

内装やディスプレイなど店の世界観にも、岡元さんの“好き”が強く反映されている。中央に鎮座したコンクリートの特注の巨大なテーブル、さらには、店全体を柔らかく照らす、シンボリックなシャンデリアも探し求めて手に入れたもの。そこに規則正しく並べられた服……。それらが、品良く配置された空間は、買い物という行動を優雅に演出しているようだ。

東北随一の大都市・仙台では、ブランドショップや、アメカジを中心としたセレクトショップがひしめき合う。その中でも〈ウヌム〉の存在は、間違いなく唯一無二といえるだろう。

宮城〈unum〉店内
曲線的な高い天井から吊り下がるヴィンテージの2灯の照明と、中央のモダンで構築的なオブジェが店のシンボル。開放的な空間と、ビルの最上階らしい眺めの良さも魅力的だ。