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箭内道彦、エリイ、大根仁「おなやみ相談室」:五月人形がいらない

クリエイティブディレクターの箭内道彦、Chim↑Pom(チンポム)のエリイ、映画監督の大根仁が読者のお悩みに答える連載の第146回。見事に三者三様な回答をぜひご覧ください。お悩み相談も随時受付中。
前回の「聞き返す罪悪感」も読む。

Illustration: sigo_kun / Edit: Asuka Ochi

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昨年生まれた息子のために義理の母が五月人形を買ってくれるらしい。気持ちは嬉しいけどマンション住まいで飾る場所も片づけるところもないし、正直いらないです。お断りしてと嫁に話したら大喧嘩になりやむなく受け取ることに。イラついてます。毎年、兜を見るたびに怒りが湧きそう。別に断ってもよくないですか?
(会社員/38歳/男)

五月人形がいらない

箭内道彦

うちの母親も何かと必要なものないか聞いてきます。正直、必要なものはないんですが、そう言うと寂しそうで、どんどん老けていくと思うんですよね。人って誰かの役に立っているとか、自分の役割や持ち場があることがとても大事。いらないというのはその役割や持ち場を取り上げることになる。だから、受け取ることが人の義務なんです。いらないではなく、小さな鯉のぼりがいいとか、一緒に選びに行くとか、絶妙なリクエストをするのはどうですか?将来、あなたも絶対いらないものをあげるおじいちゃんになりますよ!

エリイ

さあ、あんたんちのことだからわからん。とにかく揉め事になる人形は子供にとって良くないね。父がそれについて文句を言ってる言葉をもっと大きくなって聞いたとき悲しい気持ちになって負の遺産になる。買われる前に狭いから小さめの色紙的なのでお願い、って伝えたり出来ることはありそう。子供にとっては大人になった時に血の繋がったおばあちゃんが自分の為に買ってくれたって愛された記憶になって生きる力になるかも。自分の意見が通らないからってどうでもいい事でふてくされてないで大人になったらどうですか。

大根 仁

小せえなあ。でっかい鯉のぼり送るって言われたら、そりゃちょっと考えるけど、五月人形なんて一箱でしょ。その程度の場所すら作れない己の器量に怒るべきでは?以上!というわけで、文字数が余ってしまったので告知です。演出で参加しているNHK大河ドラマ『いだてん〜東京オリムピック噺〜』、視聴率が悪いだの役者が逮捕されただのネガティブなニュースばかり報じられますが、観れば絶対に面白いし、ネガキャンペーンにも屈せず現場は熱く盛り上がってます!毎週日曜20時から、ぜひご覧ください!

左から齋藤精一、服部滋樹。柴田文江、倉本 仁

未完成なものから可能性を見出す。大阪・関西万博から生まれる“共創”のデザイン

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