横浜市立金沢動物園
高齢の草食動物の生きざまが、人生を顧みるきっかけをくれる
山の中に造られた見晴らしの良い金沢動物園。ゆったりとした敷地でのびのび過ごす草食動物と出会うことができます。
インドゾウやコアラ、キリンなどの人気の動物から、ベアードバクのようなここでしかお目にかかれない稀少動物まで、それぞれ見応えがあるんですが、中でも僕がよく拝んでいるのは高齢個体。残念ながら2020年に19歳で亡くなった国内最高齢のシロイワヤギ・ペンケさんは代表的な存在の一頭でしたが、例えば現在でも、26歳(2月15日時点)で国内最高齢のオカピ・キィァンガや、18歳で国内第1位の高齢オオカンガルー・キノコなどを見ることができます。
目尻のしわや肌の質感、威厳のある佇まいから長い時間を生きてきたことを感じ取ることができて、じっと眺めていると人生の先輩と対峙している気分になって、人生の本質を考えさせられるような気がするんですよね。動物園の醍醐味は、同じ個体に何度でも会いに来られること。見ているようで見られているともいえる、その不思議な距離感で高齢個体と向き合うと、何か気づきが得られるかもしれません。