油を極力使わない健康的な中華料理で、地元の人々に愛されている店。ゆったりした店内にはテーブル席がいくつも並ぶ。メニューを開くと、アラカルトメニューが大充実。ご近所のどんなニーズにも応えられる奥行きの深さだ。
店主・初見直人シェフは〈四川飯店〉で20年のキャリアを積み、製麺所が営む〈はしづめ〉各店で料理長に。メニュー開発にも携わった。ベテランながら、熱心な研究開発は今も続く。
コースは旬の食材を、四川の技法をベースに、変わりゆく現代中華の傾向も取り入れ、緩急つけて提供される。「コースは非日常への誘い」と、器にも工夫を凝らす。途中、飲茶(ヤムチャ)の定番「咸水角(ハムスイコー)」、つまり中華風ピロシキを挟んだり、かと思うと、正統派中華のアオハタの清蒸(中国風蒸し魚)が出てきたり。シェフの経験から来る、自在な展開が楽しい。








