20年前から暮らす日本家屋には豊かな庭があり、周囲にも緑は多い。「それでも、家の中に緑があるのとないのでは大きく違う。自分のすぐそばで元気に育ってくれていると、空気も気持ちも潤う気がします。植物を選び育てているのは妻(桐島かれんさん)で、僕は水やりをするだけですが」と笑う上田義彦さん。窓辺にはアジアの器やカゴを鉢にした植物が50以上。結婚当初に2人で買って30年以上大切にしているコウモリランもある。
「窓辺の鉢とすれ違った時、“あ、水を欲しがっているな”とわかるのが愛おしいんです。葉の形も揺れる様子も多様な植物が、この家に居場所を得て、鉢の中で小さな宇宙を作っている。その姿を見ると心が柔らかくなりますね」