本質を伝える司会者が説く
“やさしくあること”の難しさ
アメリカの人気子供向け番組の司会者、フレッド・ロジャースの人生を追ったドキュメンタリー。
彼は一貫して子供たちに自立した人間として接し、戦争や死、離婚などの暗い話題も誠実に伝えているのが印象的だ。その中で彼が説くのは、やさしさには時間と努力が必要だということ。
様々な感情を抱えながら、人を許し、受け入れることは難しいとしたうえで、やさしさに対して「頑張ってみる」という表現を使うことが新鮮だった。トム・ハンクスがフレッドを演じた映画『幸せへのまわり道』も併せて観ると、彼への理解が深まる。
談・サヌキナオヤ