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2000年代のカルチャー、略して「Y2K」が再熱!スナップと当時を知るデザイナー・井野将之の証言とともに解析 〜後編〜

2000年代のカルチャー、略して「Y2K」なる現象が約20年もの時を経てトレンドとして再興。ギャルやモードなどさまざまなファッションジャンルが乱立していた時代を、若者が今の感覚で着こなすスナップと、当時を知るデザイナー、井野将之の証言とともに解析する。前編「2000年代のカルチャー、略して「Y2K」が再熱!スナップと当時を知るデザイナー・井野将之の証言とともに解析 〜前編〜」も読む。

Photo: Kazufumi Shimoyashiki / Edit&text: Minori Okajima / Special thanks: Taro Imai

ギャルが流行っていた頃に僕は何を着ていたかというと、全身古着でダボダボな感じ。BMXにハマっていた時期でもあるから、服よりも趣味にお金を使っていました。

90年代後半に流行った20471120やウォルター・ヴァン・ベイレンドンクなど、ド派手で個性的な着こなしももちろん大好きでしたけど、いかにお金をかけずにオシャレになれるかを楽しんでいました。
安い古着屋で見つけた服をセンスよく着ている人がイケてた。要はサイジングなんですよ。

憧れのラッパーやアーティストの着こなしを真似してみたりね。今みたいにインターネットが速くなくて、調べたい内容を検索するのにも一苦労。携帯はみんな持っていたけど、画像を見るとパケットが跳ね上がるので全然情報収集ができなくて。

もちろん雑誌もたくさん読んだけど、個人的には土曜の深夜にテレビで流れていた音楽番組にヒントをもらっていました。海外アーティストのPVがほんの少しだけ流れる、ランキング形式の企画。
一瞬たりとも見逃すまいと、放送中はテレビに張り付いてましたね。

あと欠かせないのは、当時のアイコンについて。90年代は木村拓哉さんや安室奈美恵さん、篠原ともえさんなど、誰もがうなずく人気がありましたよね。

2000年代だとやはり窪塚洋介さんでしょうか。キング役を演じたドラマ『池袋ウエストゲートパーク』のスタイルは、みんな真似してたと思います。
トップスは細くてピタピタだけど、ボトムスは極端に太くて腰穿きのスタイル。海外だとラッパーのエミネムとか、サッカー選手のデヴィッド・ベッカムあたりが目立っていて人気だった。

あとはセレブ。パリス・ヒルトンはその象徴で、日本でもかなり影響力がありました。ジューシークチュールのジャージやキットソンのバッグとかね。口にするだけで懐かしい……。

そんなことを考えながら今の若い子たちの着こなしを見させてもらって、逆にとても新鮮に感じました。いい感じに気が抜けてて、自然体なんですよ。

Y2Kって言葉に引っ張られすぎず、取り入れたい部分だけをすくって吸収している感じがする。スナップに参加した人の中には2000年代生まれもいるんですよね、そりゃ新時代だ。だって、ノストラダムスの大予言を知らないんですよ(笑)。

ギャルもモードもストリートも、変な色眼鏡なしに見られるから、すごく刺激的でなんでしょうね。もしくは、レミオロメンをイメージしていた彼みたいに、うっすら覚えているのかも。
おのおのの捉え方があって、正解がないのがY2Kのいいところなのかもしれませんね。