Watch

Watch

見る

白武ときおの「世界のYouTube急上昇」:メキシコの粗挽きな『イカゲーム』パロディ

放送作家・白武ときおさんが世界のYouTube急上昇を1ヵ月チェックして分析する連載。

text: Tokio Shiratake

連載一覧へ

粗挽きな『イカゲーム』パロディ

今回の国は「メキシコ」。なんですが、まずはNetflixの韓国ドラマ『イカゲーム』の話をせざるを得ないです。世界中で話題になっていて、94ヵ国で「今日のトップ10」1位を記録。

その余波はYouTube急上昇にも表れています。各国でパロディ動画が作成され、軒並み再生回数を稼いでいます。メキシコも同様ですが、ほかの国に比べてパロディが粗挽き。Antraxさんは、中庭で殺人人形の雑な衣装を着て“だるまさんがころんだ”を再現し、プールを挟んでぐずぐずの綱引きを行い水中に落とし合っていました。Mario Aguilarさんは1人コントで4役をこなし家庭内でゲームを演じてランクイン。

スペイン語がわからない僕でもどこが笑いどころなのかわかります。それはなぜか?『イカゲーム』がわかりやすすぎるからです。サムネで緑のジャージか殺人人形が映っていればそれとわかる。ゲームの内容がシンプル。綱引き、型抜き、コインなど入手が容易なアイテムでパロディしやすい。

『イカゲーム』人気に引っ張られて日本のデスゲーム作品も注目度が上がっているようです。さらなる『SAW』や『CUBE』級のエポックメイキングなデスゲーム作品が登場するのか楽しみです。

Mario Aguilarは1人で何役もこなすコント動画で、登録者数790万人を超える人気のYouTuber。絶妙に力の抜けたシチュエーションと衣装だが、動画編集が秀逸。

連載一覧へ