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週末の酒がうまい、BRUTUSの聞くレシピ Vol.32「沁みるあごだし芋煮と熱燗」

最近、周りに料理上手な友達が増えてきた。どこの料理人から教わったのか、ちょっとしたひと手間で、ゲストを喜ばせたりして、なんだか羨ましい。自慢の一品をサラッと作れるスキルがあれば、週末の酒はもっとおいしくなるはずだ。気負わず簡単に作れる、とっておきのレシピを教えてくれるのは、料理家で〈and recipe〉主宰の山田英季さん。さて、今回のメニューは……。前回の「牛ごぼうのきんぴらとゆずみりんソーダ」も読む。

photo & text & recipe: Hidesue Yamada

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吐く息が白くなり、すっかり寒くなってきました。こんな季節の食べ物は「沁みる」がテーマです。

今回は、あごだしを使ったポカポカの芋煮を作ります。

ポッドキャストで作り方を聞く

まずは里芋の皮を剥いて、軽く塩を入れたお湯で竹串がスッと通る程度に茹でます。

油揚げは、お湯をかけて余分な油を落とし、2㎝幅に切ります。

長ねぎは、斜め切りにします。しいたけは半分に、にんじんは薄切りにします。これで材料の準備はOKです。

鶏肉や牛肉を入れても美味しいですが、今回はシンプルに植物性の食材だけで、とことん沁みたいと思います。鍋に水、昆布、あごだしパックを入れて、沸騰直前まで温めて、弱火にして8分煮出します。

昆布を取り出して、里芋、長ねぎ、にんじん、しいたけ、油揚げを入れて、しょうゆとみりんで味をつけ、中火と弱火の間で10分煮込みます。

その間に熱燗を用意します。

あごだし芋煮
寒い冬の日に、ほっこりと体の芯から暖まる。熱々で食べたい。

お椀によそった芋煮を口に近づけて、立ち上がる湯気に息を吹きかけてから、汁をすすります。里芋もひとくち。口の中をほふほふさせながら、喉の奥へ。熱燗はぐいっと。

「あぁ、沁みる」。冬の夜に温めるひとときです。

沁みるあごだし芋煮と熱燗
沁みるあごだし芋煮と熱燗

沁みるあごだし芋煮と熱燗

材料 3~4人分
・里芋………………8個
・油揚げ……………2枚
・長ねぎ……………2本
・しいたけ…………4個
・人参………………1/4本
・水…………………1ℓ
・あごだしパック…2パック
・昆布………………1枚(6cm×15cm)
・しょうゆ…………大さじ2と1/2
・みりん……………大さじ2と1/2

作り方
①里芋の皮を剥き、沸かした湯に塩を入れて竹串がスッと通る程度に茹でます。
②油揚げは、お湯をかけて余分な油を落とし、2㎝幅に切る。長ねぎは斜め切りにする。しいたけは半分に切る。人参は薄切りにする。
③鍋に水、昆布、あごだしパックを入れて、沸騰直前で弱火にし、8分煮出し、昆布を取り除く。
④③に材料を全て入れ、しょうゆとみりんで味をつけて、そのまま10分煮る。

庭のうぐいす 純米吟醸 ぬるはだ
庭のうぐいす 純米吟醸 ぬるはだ 720ml
ひと肌(35~36度)から、ぬる燗(40~42度)で飲みたい福岡・久留米のお酒。程よく熟成されていて、しっかりとした酸味、ほのかな米の甘みがあり、すっきりと飲み飽きない。季節の料理や、上品な和食に合わせたい。アルコール度数14度 2,893円(山口酒造場)

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