モルガン・スタンレーが調査・公表した2024年スイス時計売り上げランキングで〈リシャール・ミル〉は6位と発表された。年間の総販売数が6,000本に満たないにもかかわらずだ。平均単価の高さが窺い知れるだろう。
2001年、「腕時計界のF1」を標榜してデビュー。ブランド名と同じ名の創業者は、ウォッチコンセプターを自称し、設立時から非常識に挑み続けてきた。彼はまず、時計に不可欠だとされてきたダイヤルを取り去った。そしてムーブメントの設計とデザインとを並行して行うという開発プロセスも先駆けて実現。これにより機械と外装を頑強に結びつけ、繊細といわれてきたトゥールビヨンに、常識外れの耐衝撃性能を実現してみせたのだ。
さらにカーボンやクオーツなどの複合材を駆使し、着けていることを忘れるほどに軽い、という高級時計の新しい価値を創出。軽量化のため、最初からスケルトンとしてムーブメントを設計したのもここが初めてだろう。そうした頑強さと軽さを世界一流のアスリートが試合中に身に着けてプレーすることで、実証した。
今や世界中の富裕層がその新作を手に入れたいと望むが、生産数が限られるため購入待ちリストは年を追うごとに長くなるばかり。しかし今年は左に並んでいるように、いつになく豊富な新作がリリースされた。さらには、伝統的バイクメーカー、〈ブラフ・シューペリア〉とのコラボによるオートバイまで登場!〈リシャール・ミル〉の非常識への挑戦は、まだ始まったばかりである。

フランスで復活した名門バイクメーカー〈ブラフ・シューペリア〉と共に、サーキットに特化したバイクを初めて開発。1910年代にアメリカで登場したボードトラッカーに範を採り、〈リシャール・ミル〉が時計製造で培ったアルミ合金やチタンをボディに、カーボンをフレームに採用。さらに分割リムはムーブメントの輪列から、ケーシングはトゥールビヨンキャリバーのデザインから着想を得ている。流麗でダイナミックな車体に997㏄・130bhpのV2エンジンを搭載。「RMB01」世界限定150台。







