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漫画だけじゃない!観て、聴いて、読んで楽しむ 『BLUE GIANT』

2023年2月17日の映画公開に続き、オリジナルのサントラや脚本家による書き下ろし小説も発売。青く光る熱いジャズの世界を全身で楽しみたい!

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text: Masae Wako

ジャズが放つ二度とない瞬間を、映画館で浴びる

二度とない瞬間を全力で鳴らす。どこまでも自由で熱いジャズの魅力を描いた漫画『BLUE GIANT』が、アニメ映画になった。原作は2013~16年に『ビッグコミック』(小学館)で連載。世界一のジャズプレーヤーを目指す主人公と仲間の物語を、劇場ならではの音量・音質で楽しめる。監督は『モブサイコ100』シリーズの立川譲。

脚本は原作の担当編集者で、続編となる欧州編や連載中のアメリカ編のストーリーディレクターも務めるNUMBER 8。アニメーションはNUTが手がけている。声は主人公・宮本大を山田裕貴、沢辺雪祈(ゆきのり)を間宮祥太朗、玉田俊二を岡山天音が担当。音楽は上原ひろみ。ジャズ初心者にとってはジャズへの最高の入口となるはずだ。

映画『BLUE GIANT(劇場アニメ)』
©2023 映画「BLUE GIANT」製作委員会 ©2013 石塚真一/小学館

世界的ミュージシャンの劇中音楽をサントラで

映画の重要な鍵を握る音楽をプロデュースしたのは、世界的ピアニストの上原ひろみ。主人公たちが結成したトリオ〈JASS〉のオリジナル楽曲のほか、劇伴も作曲した。それらを収録したサウンドトラックが映画公開日に発売。演奏は映画同様、大のサックスを馬場智章、玉田のドラムを石若駿、雪祈のピアノを上原が務めている。

劇伴音楽やバンド演奏には、〈上原ひろみ ザ・ピアノ・クインテット〉のメンバーを中心とするストリングス・セクションや、クラシック界とジャズ界のトップランナーが多数参加。贅沢な一枚となった。

全29曲収録。CDブックレットには石塚真一が描き下ろしたスペシャルストーリー収録。2月17日発売。ユニバーサル ミュージック/3,300円。

BLUE NOTEともコラボ。見逃せないコンピレーション盤

老舗レーベル〈BLUE NOTE RECORDS〉と原作のコラボ盤。スタンダードな曲とBLUE NOTEの名曲の2枚組。2019年。3,200円。ユニバーサル ミュージック。

文章から音が聞こえる、雪祈が主人公のジャズ小説

天才ゆえの苦悩と孤独を抱えながらも、宮本大を高みへ導く凄腕ピアニスト。そんな沢辺雪祈を主人公にした青春物語が誕生した。著者は南波永人(なんば・えいと)。

映画の脚本家であり、原作漫画の担当編集者でもある。原作は「音が聞こえる漫画」と評されたが、今回は、「音」はもちろん「絵」もない。

石塚真一いわく「文章で音が聞こえるってこういうことか!と驚きました。そして音楽を聴くように読みやすい。登場人物が若々しくて、ハートにぐっとくる泣きポイントがたくさんある。“友情、いいな”って思える、新しいジャズ小説です」。

映画『BLUE GIANT(劇場アニメ)』2
4歳でピアノを始めた雪祈の音の変遷が、どう書かれるかにも注目だ。©2023 映画「BLUE GIANT」製作委員会 ©2013 石塚真一/小学館