・久々の里帰り、一回り小さくなった母の背中と深くなった顔の皺。(航空会社勤務/35歳/♂)
・同居していた祖母は救急車で運ばれて急逝した。病院から帰ると、ストローの挿さった、祖母が飲みかけていたグラスがあった。(学生/23歳/♀)
・夏の日の夕暮れ、旅が終わり帰国の便を待つ、寂れた空港のロビー。(ライター/32歳/♂)
・余命を宣告されて入院していた母親に、1泊2日で久々に実家に戻る許可が下りました。母は家族の隙を見てトイレ掃除をしていました。(飲食店経営/40歳/♂)
・妻が作る卵焼きが、亡き母の懐かしい味がした。(銀行勤務/33歳/♂)
・元カレの愛車は白いパジェロだった。街を走る同じ型、同じ色のパジェロを見かけるといつも胸が締めつけられる。(会計士/24歳/♀)
・顔を合わせればいつもケンカばかりの父親はすごく嫌な存在でした。私の結婚が決まり、彼が挨拶に来たときのこと、帰り際に父がもらした「いらなくなったら返してください」の一言に涙が溢れ、これまでの気持ちは霧散しました。(会計士/32歳/♀)
・週末、『サザエさん』のエンディング曲が流れ始めたとき。(広告代理店勤務/28歳/♂)
・好きだった高校時代のクラスメイトがAVに出ているという噂を聞いて、心では絶対観たくないと思いつつも、早速レンタルビデオ店へダッシュしている俺。(デザイナー/32歳/♂)
・楽しみにしていた〈千疋屋〉のマンゴーパフェ。食べようとマンゴーにフォークを刺そうとしたら、うまく刺さらずマンゴーが床に。(広告代理店勤務/28歳/♀)
・小さい頃に友達との溜まり場だった駄菓子屋が取り壊しに。落ちゆく壁と共に、僕の思い出が崩されてしまうような気がした。(自営業/27歳/♂)
・平和で平等な世の中にシステム上はなったはずなのに不安や格差は実感として増している。携帯電話でコミュニケーションが容易になったはずなのに、だからこそ、欠如したときの痛さは増している。(広告代理店勤務/30歳/♂)
・小さい頃におばあちゃんからもらった手編みの手袋を引き出しで見つけた。(学生/23歳/♂)
・旅先で出会った現地の人たちと飲み交わしたビールは、「この先会うことはないだろう」と思うといつもより苦くなった。(公務員/35歳/♂)
・幼い頃大好きだった飼い犬を抱く、アルバムの私。ふわふわの毛並み、ほのかな温かさ、当時の愛らしい手触りが蘇る。(主婦/25歳/♀)
・卒業式の日、友達と一緒に口数少なく歩いた、いつもの通学路。(学生/19歳/♀)
・クラブで夜通し盛り上がった帰り、ファミレスで見る朝の光。(学生/23歳/♂)
・小学校3年の時、父の転勤で転校することに。引っ越し当日、父が運転する車に乗り、次に住む街へ向かおうと数百メートル走ったところに、クラスメート全員が立ち手を振っていた。(アパレルメーカー勤務/35歳/♂)
・テレビで秋葉原のヲタ芸を紹介していたのだけど、よく見ると10年前に別れた元カレが映っていた。もう35歳なのにOAD(オーバーアクションドルフィン)にキレがあった。(ショップスタッフ/30歳/♀)
・パーマをかけたら大仏のようになってしまった。(パタンナー/37歳/♀)
・秋の風に吹かれながら聞く、鈴虫の羽音。(メーカー勤務/35歳/♂)
・通りすがりの男性から、元カレの香水のにおいがした。(PR会社勤務/23歳/♀)
・慣れない東京暮らしと仕事でのプレッシャー。母から届いた「頑張れ」の3文字。(広告代理店勤務/24歳/♂)
・海外赴任の僕を成田空港まで見送りに来た彼女、出国ゲートの前でそっと彼女の頬を触ったときのそのぬくもり。(商社勤務/28歳/♂)
・高校3年生の夏、野球の地区予選3回戦。9回、セカンドの僕が握ったボールは汗で手からこぼれ落ちました。結果、逆転負け。(メーカー勤務/29歳/♂)
・欲しい懸賞の賞品があって、応募シールを集めるために来る日も来る日も同じ商品を食べ続ける日々。ある日、私は気がつきました。前日、キャンペーン期間が終わったことに。(公務員/31歳/♀)
・高校時代、いじめられていた私をかばって、親友が新たないじめの的に。気丈に振る舞ってくれた彼女の姿は忘れない。(ライター/27歳/♀)
・高校生の時、母が入院していたのですが、母の日にカーネーションを1本持って見舞いに行ったら、そこには既に50本近くの大きなカーネーションの花束が兄から届いていて、母が嬉しそうにしていた。(出版社勤務/35歳/♂)
・私の小指をぎゅっと握る、小さな手のひらの感触。(主婦/30歳/♀)
・何度もかけ直す恋人との別れ際の電話。あるとき、彼女の番号は突然つながらなくなった。(イラストレーター/28歳/♂)
・私の結婚式を病床で何よりも楽しみにしてくれていた父親が、式を前に急逝。父がいない結婚式で着る、私のウェディングドレスの華やかさ。美しくて、胸が痛かった。(主婦/27歳/♀)
・大学時代、デートの車中でケンカ別れしたとき流れていた「勝手にシンドバッド」は、特に悲しい歌詞でもないのに、聴けば当時の気持ちを思い出す。(商社勤務/35歳/♂)
・ずっと前から遠足を楽しみにしていた子供が一生懸命作ったてるてる坊主が、雨に濡れて泣いていた。(主婦/29歳/♀)
・久々に会った元カノが敬語で話しかけてきた。(SE/34歳/♂)
・通学時、いつも同じ電車に居合わせた他校の女学生。隣に座ったときに声が出ない僕。15歳の思い出は今でも僕をドキドキさせる。(商社勤務/25歳/♂)
・彼女が残したベッドの温もりとほのかな香り。(学生/20歳/♂)