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信頼できる目利きがいる器の店。沖縄〈GARB DOMINGO〉

旅の目的地になる、魅力的な器の店が増えている。BRUTUSが注目したのは信頼のおける目利きが営み、店頭に立つ現代器作家のギャラリー&ショップ。彼らは、今どんな80〜90年代生まれの新世代作家に注目しているのか?器のこと、作家のことを聞いてみよう。

初出:BRUTUS No.992「器の新時代。」(2023年9月1日発売)

photo: Yu Zakimi / text: Katsuyuki Mieda / edit: Ai Sakamoto

休日や家での時間を楽しくする、沖縄ゆかりの作家たちが作る器

那覇の牧志(まきし)公設市場を中心に広がるアーケード商店街の地下には、ガーブ川が暗渠(あんきょ)となって流れる。その泡沫(うたかた)から生まれた「ガーブ・ドミンゴおじさん」が紹介する、日曜日(Domingo)を楽しくしてくれる工芸品。そんなストーリーが店名の由来だ。

自身もガーブ川近くで育ったオーナーの藤田日菜子さんは、「なくてもいいけど、あると生活がより充実するような器をセレクトしています」と語る。

現在扱う作家は30名ほど。その8割は沖縄に在住もしくは縁のある作家だ。とはいえ沖縄らしさを強調しているわけではない。「今この島には、伝統を踏襲・昇華しつつ、新しい試みをする作家が増えています。作家の個性との相性を大事にして、日常使いできる器を見つけてもらえれば……」と藤田さん。

その代表が沖縄本島北部・やんばるに工房を構える紺野乃芙子(のぶこ)の作品。自ら掘るやんばるの土にこだわって作陶するその器は、「土着的でありながら、とてもモダン」。独特の藍色は「紺野ブルー」とも呼ばれ、〈ハレクラニ沖縄〉や〈星のや沖縄〉でも使われている注目の作家だ。

沖縄〈GARB DOMINGO〉オーナー・藤田日菜子
2009年の開業以来、「ガーブ・ドミンゴおじさん」の肖像画が見守る1階。