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浮世絵をもっと知るために。訪れたいミュージアム3選

猫を擬人化した戯画や、名所を写した風景画。お化けに骸骨にイケメン和装男子まで。美人画のほかにも魅力的な浮世絵はたくさん。「浮世絵って楽しい!」と深掘りしたくなること必至の3館を厳選。

本記事は、BRUTUS「通いたくなるミュージアム」(2025年1月10日発売)から特別公開中。詳しくはこちら

text: Masae Wako

みんな大好き北斎、その深い魅力に浸る

すみだ北斎美術館(東京/両国)

葛飾北斎《百物語 こはだ小平二》すみだ北斎美術館蔵

現代アートにも通じるポップな面と、マニアックで奥深い魅力とを併せ持つ、世界一有名な浮世絵師。葛飾北斎は宝暦10(1760)年に本所界隈(現在の墨田区南部)で生まれ、生涯のほとんどを墨田区内で過ごした。その木版画や肉筆画から摺り物、版本まで網羅する。

墨田区の蒐集に加え、世界的北斎コレクターのピーター・モースや浮世絵研究者の故・楢﨑宗重(ならさきむねしげ)のコレクションも。美術館の建物は妹島和世が設計。4階から東京スカイツリーも見える。

浮世絵推したちも太鼓判の専門美術館

太田記念美術館(東京/原宿)

ここでのユニークな企画展をきっかけに浮世絵ファンになる人も多い、原宿駅から徒歩5分の浮世絵専門美術館。収蔵品は、実業家の5代・太田清藏(せいぞう)が昭和初期から蒐集(しゅうしゅう)した個人コレクション約12,000点を含む約15,000点。

葛飾北斎や東洲斎写楽、歌川国芳、歌川国貞から月岡芳年や葛飾応為(おうい)まで、木版画と肉筆画がともに充実しており、時代もジャンルも幅広い。フォロワー数20万超えのSNSで繰り広げられる、細かすぎる浮世絵解説も大人気。

何でも描ける天才、暁斎ワールドへ

河鍋暁斎記念美術館(埼玉/蕨市)

数え7歳で歌川国芳に入門し、狩野派にも学んだアバンギャルドな天才絵師、河鍋暁斎(かわなべきょうさい)。伝統技法で描く仏画や美人画から、三味線を弾く骸骨や踊る妖怪などのユーモラスな戯画まで、あらゆるものを描ける画力で「何でも描ける」と謳われた。

その曽孫が開設した館は、伝来の下絵も含めた約3,000点を所蔵。2ヵ月ごとにテーマを替えて暁斎一門の作品を展示する。暁斎は大のカエル好きとしても有名で、ミュージアムショップのカエルアイテムは必見!

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