〈VOILLD〉主宰・伊勢春日が通う、目利きの店。祐天寺〈SEIN〉

店の雰囲気、品揃え、店主やスタッフの人柄。思わず足を運んでしまう理由は人それぞれ。 VOILLD主宰、キュレーター・伊勢春日さんに聞いた、“信頼できる店”とは。

本記事も掲載されている、BRUTUS『信頼できる店の探しかた』は、2023年4月1日発売です!

photo: Jun Nakagawa / text: Emi Fukushima / edit: Chizuru Atsuta

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斬新に並べられた“もの”から、パワーを浴びる

世界中から集められた雑貨やオブジェ、花器などが並ぶ〈SEIN〉。モチーフや形、デザインにひとクセあるものばかりで、店内に足を踏み入れると、知らない土地に紛れ込んだかのような非日常気分を味わえます。

知人に連れてきてもらった初回から、ロダンの彫刻のレプリカや、フリーメイソンのロゴが柄にあしらわれたヴィンテージラグなど、ビビッときたものを手当たり次第に爆買い(笑)。以来定期的に訪れています。

普段私が携わっている作品は、誰がどんな意図で作ったものなのかが明確なものがほとんどです。でもここに並ぶものは、どんな経緯で作られ、やってきたのかがわからない場合が多い。謎多きところにもロマンを感じるんですよね。数百円程度の手頃な価格の商品もあり、攻めたものにチャレンジする気持ちを後押ししてくれます。

そしてセレクトはもちろん、ものの並べ方にもスタッフの方々の独特の感性が垣間見えます。訪れるたびに什器のレイアウトやものの配置が変わっているのも新鮮ですし、作風や質感の異なるものが隣り合っていたり、高価な趣のオブジェが案外床にさらっと置かれていたりもする。

それぞれの特性を理解したうえで斬新な発想で並べられているので、毎回発見があって楽しいんです。仕事柄、展覧会などの空間構成を考えることもあるので、刺激になりますね。

ものには自然と同じくらいパワーがあると思っていて、それは実物を自分の目で見て、触ってこそ感じられるもの。日常から少し距離を置いてリフレッシュしたいときには、〈SEIN〉のようにユニークなものが集まる店に行くに限ります。でも私は推しに弱いので、お店の方に話を聞くと、全部欲しくなってしまう(笑)。爆買い防止のため、最近はコソッと行って眺めています。

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