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幕張〈lighthouse〉読後に“光”が灯るような本を届けたい。畑に建てたプレハブ小屋

もともと異業種で働いていたものの好きが高じて店を開いたり、心から本を愛してやまない書店員がジャンルに特化した選書で勝負する店を始めたり。ここ数年、個性溢れる町の本屋が増えてきた。なかなか見つけられない貴重な古書からリトルプレス、そして店主が偏愛してやまない良書まで。新たな世界の扉を開いてくれる本に出会う冒険へ出てみよう。

photo: Koichi Tanoue / text: Mako Matsuoka

本屋 lighthouse(幕張/千葉)

30歳までに本屋の店主になる。大学院時代に抱いた目標を2019年5月に26歳で実現。祖父が畑として使う土地を分けてもらい、ゼロからDIYした夢の城でもある(✳︎セルフビルドの小屋本店は現在休業中、復活予定。インフラ完備の幕張支店で営業中)。エッセイを含む文芸、人文科学、リトルプレス、コミック、絵本など、約700冊を選書。大型店舗だとひっそり扱う題材を意識的にセレクトしている。

「読後に“光”が灯るような本を届けたくて、lighthouseと名づけました。“普通”“常識”という呪縛から放たれて、ありのままの自分に胸を張って生きられる。そんな道標になるようなタイトルを揃えています。枠からはみ出ていてもいい。いろいろな人生があることを書店から伝えたいなと」

現在は、書籍が読者に届く流れを深く知りたくて、出版社〈トランスビュー〉と〈ときわ書房 志津ステーションビル店〉の三足のわらじを履く日々でもある。また、店を作る前は〈ペブルズ・ブックス〉の久禮亮太さんや〈伊野尾書店〉伊野尾宏之さんら名物書店員を訪ねてはアドバイスをもらった。そうして知り合った先輩らとの交流はオープン後も続く。

千葉 本屋 lighthouse オーナー・関口竜平さん
作家・こだまと担当編集者とのやりとりを載せたZINEを出版した。

「完璧を求めず、呼吸をするように本屋として在り続けたい。あと、出版活動にも力を入れたいです。誰かのお守りになるような書籍を作っていきたい」

若きオーナー・関口竜平さんの航海は始まったばかりだ。

千葉 本屋 lighthouse 外観
住宅街に突如現る店舗。壁の落書きは近所の子供画伯が描いた。