山岡酒店(今出川/京都)
語る人:店主・山岡茂和
国内外320種以上の銘柄を揃え、関西で抜群の知名度を誇る
昭和初期に創業した昔ながらの風情を漂わせつつ、クラフトビール界では高い知名度を誇る。店主の山岡茂和さんは今はなき岐阜の〈博石館ビール〉に出会い、地ビールの扉が開かれたという。「2000年前後にランビックやバーレーワインを造っていた個性的なブルワリー。味わいや酔い方が、日本酒好きの自分に合って」と振り返る。
今となってはクラフトビール冬の時代といわれる2002年から、飲んで薦めたいものを扱うことで専門性を高めていった。現在では国内270種類、アメリカ中心の輸入ビール50種ほどを扱い、ビアスタイルも幅広い。半分は数量や季節限定という品揃えで、宝探しの感覚だ。「酸味と香りが楽しめるセゾンや人気のヘイジーIPAなど、新たな体験ができるものがオススメです」
すがや(溝の口/川崎)
語る人:店主・菅谷由芳子
町のよろず屋兼酒店は、掘り出し物の宝庫。ベルギービールを中心に、約800銘柄を扱う
昭和45(1970)年、かき氷屋として始まり、よろず屋も兼ねた酒屋に。今でも店舗面積の半分以上は食料品や日用品が占める。「ビールにハマるきっかけになったのはシメイ。修道院で造られているビールだと聞き、そんなものがこの世に存在するのかと驚いた。それからどんどんのめり込み、ベルギーの醸造所巡りもしました」と創業者の次女、菅谷由芳子さん。
店の奥の棚とセラーには、ベルギーを中心にビールが所狭しと並ぶが、室温はビール向けにしっかりと温度管理されている。酵母の含有量が多く、よりおいしいという珍しいマグナム、ダブルマグナムも。「ベルギービールは歴史が古く、いろんなタイプがあるから面白い。ホップの産地でもあるため、ホップの香りをしっかりと感じられるビールほど愛しく感じます」