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水の都を再発見。カヤックで東京水上散歩

かつて、東京はヴェネチアと並ぶ「水の都」だった。その始まりは徳川家康の江戸入城。江戸と地方の物流を確保するため行われた一大運河建設プロジェクトにある。特に荒川と隅田川に挟まれた江東区には今でも多くの運河があり、その面影を残している。実はこれらの河川、カヤックなどの手漕ぎ船で通行してもOKって知ってました?こんな近場に歴史満載の面白い川があるなら、わざわざ遠くに漕ぎに行く必要ないじゃん!というわけで、お江戸ロマンに思いを馳せつつ、カヤックでトーキョーを旅してみた。

初出:BRUTUS No.783「ブルータスのアウトドア大全」(2014年8月1日発売)

photo: Kasane Nogawa / text: Yuriko Kobayashi

POINT1 大島小松川公園

土手から川へスロープが設置された大島小松川公園は、絶好のエントリーポイント。3分割して車載してきたカヤックを組み立てる。これはスウェーデンのカヤックメーカー〈point65°n〉のマティーニ タンデムというモデル。中央部分を抜いて合体させると1人艇にもなる。

POINT2 北十間川(きたじっけんがわ)

旧中川をゆったり漕ぎ、亀戸中央公園を過ぎると北十間川への分岐。都内有数の狭い水路で、探検感がアップ!追い越し禁止、東行き優先などの河川標識をチェックしつつ進む。

POINT3 東京スカイツリー

西進すると間もなく東京スカイツリーが!開発中の押上界隈は護岸工事が多く、クレーン船や台船がひしめく場所もあるが、みんな快く道を譲ってくれて感動……。さすが江戸から続く川カルチャー、人情だねえ。東京スカイツリーの真下で通行止めになるので、引き返して横十間川へ。

POINT4 クローバー橋

南北(縦)に走るのに「横十間川」というのは、江戸城から見ると川が横に走っていたから。豆知識を蓄積しつつ、小名木(おなぎ)川がわとの交差点、大きな十字形のクローバー橋で休憩。

POINT5 隅田川

江戸時代、塩や木材など物流の大動脈として機能した小名木川を行くと、隅田川が見えてきた。ちょっと波が高いと思ったら、隅田川に出た途端、容赦ない大波の嵐が。大海の小舟のごとくカヤックを揺さぶる……。そんな中、松本零士デザインの「ヒミコ」、やさしい徐行ありがとう!

POINT6 佃島(つくだじま)

隅田川の大波攻撃に力尽き、佃島へ避難。江戸時代から残る船宿を見学しつつ下町の雰囲気を味わう。「どこから来たの⁉」。今度は下町のおばちゃんたちの質問攻撃に遭う。

POINT7 扇橋閘門(おうぎばしこうもん)

このルート最大の見どころ。閘門とは「船の階段」で、水位の違う2河川を船が通行できるよう水位調整するシステム。前後2つの水門に挟まれたスペースに入ると、「水位が下がりま〜す」とのアナウンスとともに、一気に2mも水位ダウン。アトラクションみたいで面白い!

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