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東京のスペシャルティコーヒー、新店ガイド。東東京編

2021年以降にオープンしたスペシャルティに注力するコーヒーショップ。その中でもいいバリスタやロースターがいる、東東京の3軒を紹介します。

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photo: Jun Nakagawa, Aya Kawachi / text: Nico Araki, Emi Fukushima, Koji Okano

FIRST CROP COFFEE JAPAN ROASTERY(清澄白河)

メルボルン仕込みの店主による焙煎所併設のカフェ

メルボルンの〈Au79〉でバリスタと焙煎の経験を積んだ山崎恵美さんが、2020年にメルボルンの〈ファースト クロップ コーヒー〉の日本代理店を起業。24年3月、活動拠点としてロースタリーカフェをオープン。

生豆輸入からバリスタまですべて一人で担う山崎さんが支援しているのは、購入することで、生産者が潤う取り組み。「農園から毎年安定して購入できるように、豆の販路をさらに広げるためにロースタリー兼店舗を構えました」と、各農園で育った豆の魅力を消費者まで伝えられる環境を探求している。

1階に設置された〈ローリング〉の焙煎機(15㎏)は熱風で焼き、クリーンな口当たりに。2階には10席ある。豆100g 1,000円〜。

FIRST CROP COFFEE JAPAN ROASTERYの焙煎機
オープン前から使用していたという巨大な焙煎機は、日本に数台しかない初号機。

Coffee Session(森下)

タイコーヒーの魅力を、多彩なポップカルチャーとともに

近年急速に進化を遂げているのがタイのコーヒー文化。個性豊かで高品質なタイ産の豆を自家焙煎で提案するのが〈コーヒーセッション〉だ。「学生時代に訪れて、豆の栽培に携わる少数民族と出会い、彼らの愛情深く真摯に生産に向き合う姿勢に惹かれてコーヒーに興味を持ちました」という店主の藤森綾さんが、国内数店で研鑽を積んだのちにオープン。

メーホンソン県で作られたファイ・ホムというすっきりとクリアな味わいの豆を筆頭に、常時4、5種類を楽しめる。またコンパクトな店内にはタイのポップミュージックが流れ、現地アーティストによるグラフィックや雑貨もずらり。カルチャーとともに、タイコーヒーの味わいに浸れるユニークなスタンドだ。豆100g 1,000円〜。

KOFFEE MAMEYA -Kakeru-(清澄白河)

コーヒーの新たな可能性を追求すべくコースを展開する

2017年にオープンした表参道の〈コーヒー マメヤ〉で、豆のセレクトショップという新形態を打ち立てたオーナーの國友栄一さん。清澄白河で挑むのが、コースで楽しむコーヒー。

メニューは豆の旬で替わるが、シグネチャーコース6,500円は、「エチオピアの浅煎りを使用して、モクテルまで含めて、さまざまな抽出の違いを体感していただけます」と店長の小島朋則さんは話す。ここに厳選した素材とのペアリングという新しい体験が加わる。豆は同じ種類のままで抽出法を替え、さらに2つのペアリングを提供。「ここはコーヒーの可能性を広げる場所。コーヒーを通した新たな食経験をお楽しみいただけたら嬉しいです」。もちろん店内では豆の購入も可能だ。豆150g 1,400円〜。

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