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生魚は苦手だったのに。芸人・安藤なつが魅了された、回転寿司の世界

日本の代表的カルチャーの一つとも言える回転寿司。リーズナブルさとおいしさを両立させ、日々進化する各店の味を食べ比べられるのは、東京だからこそ!

photo: Kazufumi Shimoyashiki / text: Ikuko Hyodo

回る小宇宙に自分の流儀を見つける楽しさ

生魚がダメだった安藤なつさんを、魅惑的な回転寿司の世界に引き込んだのは、高校の同級生。バイトするほど回転寿司が好きな同級生は、やがてメイプル超合金のスタイリストとなり、2人が顔を合わせれば寿司という流れに。「“ご飯を食べに行く=回転寿司”なんです。ほかの選択肢はまずないですね」

もちろん回らない高級店の寿司も好き。それでもついつい足が向いてしまうのは「ルールがほぼない」から。「今はイカが大好きなんですけど、10皿中8皿、イカを食べたりするんで。高級なところでそれをやると、変な目で見られそうじゃないですか」

自由度の高さは寿司以外でも真価を発揮。「寿司を食べてると途中で揚げ物に行きたくなりません?で、今度はメロンソーダが飲みたくなる。そういうワガママも叶うのがいいですよね」

東京は人気店がせめぎ合っているが、例えば「がってん寿司は“とろびんちょう”」などと各店の推しメニューを持っておくと、安藤さんのようにいつでもどの街でも安心の味に出会うことが。「メニューに載ってないものでも、頼んだら作ってくれるお店もありますよ」

回る寿司をカウンター寿司のように楽しんでしまう手だれ感……。勇気を出してやってみる⁉

落合南長崎〈がってん寿司〉店内、芸人・安藤なつ
「イカ、タコ、エビは必ず食べるし、なんなら何回も頼みます」。いわゆる順番などは気にせず、フリースタイルで!

安藤なつがおすすめする回転寿司店3選

がってん寿司 新宿西落合店(落合南長崎)

カジュアルさは保ちつつ、クオリティの高さを実現。びんちょうまぐろの大トロのみを使用した「とろびんちょう」や、ニュージーランド産の稀少な「キングサーモン」など専属バイヤーによるこだわりのネタが揃う。各地の漁港から直送される鮮魚を使った日替わりメニューに、各店の個性が光る。

すし銚子丸 豊玉南店(都立家政)

店名に冠した銚子(ちょうし)港をはじめ、世界中から新鮮なネタを取り寄せていて、職人によるさばきたて、握りたての寿司がこだわり。住宅街の一角にあるこちらの店舗は駐車場もあり、街のファミレス感覚で寿司を楽しむ人が集まる。店舗を「劇場」に見立てたコンセプトで、エンタメ性の高さが売り。

回転寿司みさき 高円寺パル商店街(高円寺)

高円寺駅南口、アーケードのある商店街に立地。この店の最大の特徴は、高級寿司店で供されることの多い、江戸前寿司の伝統“赤シャリ”を気軽に味わえること。使用しているのは、2年以上熟成させた酒粕の赤酢。看板メニューの本まぐろや、豊洲直送の旬のネタを、まろやかな酸味が引き立てる。