Love 2025.4.15 Love 愛する 2025.4.15 道端に歴史を語る蓋あり。マニアが案内するマンホールの楽しみ この街とそこに息づくもの、こと、場所を愛してやまない人たちがいる。飲食をはじめカルチャーやエンタメ、さらに建築や公共物に都市の風景まで、マニアが極私的に案内する東京偏愛スポット。 本記事は、BRUTUS「ブルータスの東京大全」(2025年4月1日発売)から特別公開中。詳しくはこちら。 illustration: Kazuma Mikami / text: Kohei Shirahama / edit: Mo-Green 連載一覧へ 手の届く範囲の歴史を語る蓋 徳川家康は実在したのか?教科書には事細かに記されているが、それらは誰かが調べて残した情報でしかなく、自分で直接触れられるものではない。極論、空想上の人物だと言われても肯定も否定もできないのは、今生きている世界とのつながりに実感を持ちづらいからだ。 そんな中、マンホールの蓋は歴史と自分をつなぐパーツだと感じる。戦前から残る「骨董蓋」をはじめ、都内には手の届く範囲で歴史を感じられる蓋が点在し、絵が描かれた比較的新しい蓋にも歴史は刻まれている。 東京府豊多摩郡千駄ヶ谷町の蓋1932年に東京市へ編入され消滅した、千駄ヶ谷町の紋章が入った蓋。地元の方々にも認知されており、街のシンボルとしてこの蓋をモチーフとしたお菓子が作られたこともある。現役の下水道設備として使われている。住所:渋谷区千駄ケ谷4-13-1 竹田医院前|地図東京府北豊島郡尾久町の蓋1932年に東京市へ編入されて消滅した、尾久町の紋章が入った蓋。カタカナの「ヲ」の字を9つ円形に並べて「ヲグ」と読ませる。尾久町とこの蓋の由来が書かれた案内板が置かれている。現役の設備ではなくモニュメントとして設置。住所:荒川区西尾久2-5-10 荒川区立八幡児童遊園脇|地図東京帝国大学附置傳染病研究所の蓋傳染病研究所は、北里柴三郎が福沢諭吉の援助のもとに設立した私立の研究所であったが、のちに国の管轄となり、東京帝国大学附置となった。蓋の地紋は「帝大型」と呼ばれる形状で、建物と同じくこの時代の設置であると思われる。住所:港区白金台4丁目6-2港区立郷土歴史館周辺|地図鉄腕アトムをデザインした蓋手塚治虫の代表作『鉄腕アトム』の主人公アトムとその妹のウランはお茶の水小学校に通っているという設定で、育ての親の名前もお茶の水博士と、この地に縁があることから設置された。通り沿いに3種類のデザインの蓋が設置されている。住所:千代田区神田駿河台1-1-1 明治大学リバティタワー前|地図多摩川に遡上する鮭をデザインした蓋かつて全国的に盛り上がった「カムバックサーモン運動」に由来するデザイン。元々多摩川に鮭は生息しておらず、多摩川への鮭の稚魚放流は生態系の破壊にもなり得るため、現在では行われていないが、その名残は蓋のデザインとして今も残っている。住所:多摩市落合1丁目 多摩センター駅周辺|地図アキシマクジラをデザインした蓋多摩川の河川敷で昭和36年に発見されたクジラの化石に由来するデザイン。昭島市を含め現在の東京や千葉周辺はおよそ200万年前には海であったといい、その頃に生息していたアキシマクジラは、現在では昭島市のシンボルにもなっている。住所:昭島市田中町1丁目17-1 昭島市役所前|地図 特集「ブルータスの東京大全」をチェック! 連載一覧へ #TOKYO MANIA #東京 Videos 動画 【韓国の今を誰も知らない!】映像作家・rafhooが撮る、アーティスト・JNKYRDのとある1日。 【4/15発売】韓国の今を誰も知らない! Videos 動画 【韓国の今を誰も知らない!】映像作家・rafhooが撮る、アーティスト・JNKYRDのとある1日。 【4/15発売】韓国の今を誰も知らない!