Eat

Eat

食べる

プロフィギュアスケーター・村上佳菜子が案内する、“層”を味わうかき氷

氷上の疲れは氷で癒やす。年間500杯を食べたこともある村上佳菜子さんに、通年で楽しめるお店とその楽しみ方を教えてもらった。

photo: Mai Hokari, Shu Yamamoto / illustration: Yoshifumi Takeda / text: Anna Abe

氷、ソース、具材で積まれた“層”を味わう

かき氷に目覚めたのは2015年頃。先輩の浅田真央さんに名店〈廚 くろぎ〉へ連れていってもらったことがきっかけだったという村上佳菜子さんは、好きが高じて自らかき氷店を出店するほどのゴーラー(かき氷好き)。

いわゆる“昔ながら”のかき氷と違う近年ブームのかき氷には、季節ごとに食べたくなる理由がある。

「例えば毎年4月にはいろんなお店で桜のかき氷が出るんですけど、店舗によって氷の削り方、具材や層の組み合わせが違うんです。最初の1口目から1番下まで、計算されたそれぞれの物語を堪能できます」。

普段からかき氷を味わうために温活も心がけているという。なぜ氷上のアスリートが冬でもかき氷を求めるのだろうか。

「ビールが好きな方が寒い日でもキンキンの一杯を飲むのと似ているかもしれません。季節は関係ないんです。冷たい氷が体でほどけていく感覚が好き。それを楽しめるようになったらゴーラーなのかなと思います」

村上佳菜子がおすすめする、東京のかき氷店6選

氷茶室つきそめ(銀座)

桜チョコミント

銀座〈氷茶室つきそめ〉桜チョコミント
縦15cm×横9cm。

バーテンダーが提供するかき氷店。「桜チョコミント」(1,600円)は、ミントと桜のミルクがかかった氷の中にチョコソースが。桜の葉の塩味も良いアクセントに。ほかにはローズマリーが香る「じゃがいも明太」も。アイデアが光る斬新なメニューは週替わり。

廚 くろぎ(上野広小路)

黒蜜きなこ

上野広小路〈廚 くろぎ〉黒蜜きなこ
縦23cm×横12.5cm。

日本料理店〈くろぎ〉によるかき氷専門店。醤油を加えるなど、和食からも着想を得たソースが絶品。定番の「黒蜜きなこ」(1,750円)はこれでもかと盛った氷に黒蜜クリームときな粉をたっぷりと。徐々にクリームと絡めて氷の食感の変化も楽しめる。

茶房 オクノシブヤ(渋谷)

甘酒さくら

渋谷〈茶房 オクノシブヤ〉甘酒さくら
縦15.5cm×横13cm。

元和菓子職人が手がけるかき氷店。4月中旬までの限定「甘酒さくら」(1,980円)は、純米吟醸を使用した自家製の甘酒とマスカルポーネソースで“崖”を表現。果肉入りチェリーソースの池と氷の中から現れるこし餡に遊び心感じる一杯だ。桜のシロップで味変も。

氷舎mamatoko(新中野)

湘南ゴールドとレアチーズ

新中野〈氷舎mamatoko〉湘南ゴールドとレアチーズ
縦16cm×横11.5cm。

ブームの火つけ役・原田麻子さんのお店。氷の食感を楽しむために、削り方や層の積み方などとことん考え抜かれた一杯。ソースの組み合わせを自由にアレンジできるのも嬉しいポイント。写真は期間限定の「湘南ゴールドとレアチーズ」(1,800円)。

神戸みなと屋(笹塚)

アボカドミルク

笹塚〈神戸みなと屋〉アボカドミルク
縦14.5cm×横12cm。

大阪の老舗〈たこ家道頓堀くくる〉で修業した店主が営むたこ焼き・明石焼き店はかき氷も格別。「アボカドミルク」(1,100円)をはじめ約14のフレーバーを常備。注文を受けてから作るフレッシュなソース1種と氷のみのシンプルな組み合わせは何度も訪れたくなる安心感がある。