餅菓子を愛するあの人へ
まさに“伝統と革新”を体現する次世代の大福
〈KIKYOYA ORII〉の「ネオ大福」
東京・駒沢大学駅に2022年秋にオープンした〈餅菓子専門 KIKYOYA ORII 東京駒沢店〉。三重県伊賀市で1607(慶長12)年から続く老舗菓匠〈桔梗屋織居〉の19代目・中村弓哉さんが新たに立ち上げたブランドだ。
自身が学んだ製菓学校や最初の修業先が世田谷区にあったため、馴染み深いこのエリアに出店したのだとか。
最高級のもち米として知られる「滋賀羽二重餅」を使い、毎朝搗きたての生地で作る餅菓子は6〜7種類ほど。看板商品はやはり、この店の顔と言うべきその名も「19代目の豆大福」。きめ細かで伸びのいい餅生地に、歯ごたえを適度に残し塩味をきかせて炊き上げた北海道産赤えんどう豆を合わせ、瑞々しく滑らかなこし餡をたっぷりと包む。中村さんが「赤えんどう豆の塩味と滑らかな餡とのコントラストがポイント」と語る通り、このメリハリのある対比が感動を呼ぶ。
そしてもう一つ、豆大福と双璧を成す人気を誇るのがフルーツ大福シリーズ。フレッシュな季節の果物を使ったものもあるが、ドライフルーツを起用しているのが大人気の「白いちじくとマスカルポーネの大福」。店主自身が一献を愛するゆえ、「お酒に合う餅菓子を」と考案したユニークな一品。ドライフルーツは定番のアペリティフであることからも分かる通り、白いちじくの餡はウイスキーなどの蒸留酒はもちろんワイン、スパークリングとも相性抜群!
今夏はさらにブラッシュアップされ、それまでの餅生地から冷やしても固くならない手練りの羽二重求肥餅に変えることで、おいしさはさらに進化。冷蔵しても生地は柔らかく、キリッと冷やした白イチジクのコクのある甘みとマスカルポーネの爽やかな酸味の2重層が、夏の酒宴の最高のお共に!
410余年という揺るぎない伝統の技を基盤に、柔軟な発想で今の時代に寄り添う和菓子を作り出す〈KIKYOYA ORII〉。餅菓子ファンにとってまさに理想的なお店ではないですか!