洋菓子を愛するあの人へ
果実味あふれる名作ギモーヴ
〈AVRANCHES GUESNAY〉の「ギモーヴ」
文京区は春日の白山通り沿いに佇む、真っ赤な外壁がひときわ目を引くパティスリー〈アヴランシュ・ゲネー〉。腕を振るうのはフランス・ノルマンディーで経験を積み、東京の名店を経て神楽坂のホテル〈アグネスホテル東京〉のシェフパティシエとして活躍した上霜考二シェフ。2015年のオープン以来、常に客足の絶えない人気店だ。
そして上霜シェフのスペシャリテとして広く知られているのがギモーヴ。フランス版マシュマロとも言うべきコンフィズリー(砂糖菓子)で、卵白を使わず、シュワシュワととろける食感と様々な果汁を使ったフルーティな味わいが特徴。
〈アグネスホテル東京〉時代から人気を博していた上霜シェフのギモーヴは、ベリーや柑橘などの果肉から作るピューレをふんだんに使い、見た目の鮮やかさと瑞々しい酸味が魅力。「カシス&ダージリン」や「シトロンヴェール&パセリ」など2つのフレーバーを合わせることで、甘いだけではない、重層的な風味と香りが花開く。さらに、細かく砕いたココナッツスライスやフリーズドライの木苺を表面に纏わせることで、食感にも楽しいアクセントがプラスされる。
ふんわりと繊細な柔らかさでありながら決して潰れることなく、食べればシュワシュワととろけていくドリーミーな口どけも、上霜シェフの技。これはゼラチンとピューレを合わせるタイミング、そして泡立てる時間と温度が鍵なのだとか。
たとえば真紅のドライ木苺をまぶした鮮やかな「フランボワーズ&オレンジフラワーウォーター」は、はかなげな噛み心地とともにフランボワーズの甘酸っぱさがあふれ、オレンジフラワーウォーターのフラワリーで清々しい香りが鼻腔をくすぐる!
まず見た目の華やかさに歓声が上がり、食べればウタカタのような儚い口どけについまた感嘆の声が出る。コンフィチュールを愛する人に贈りたい、小さな宝石箱だ。