お菓子を愛するあの人へ
ラグジュアリーホテル発 “思い出”のキャロットケーキ
〈ジャヌ パティスリー〉の「GM’S キャロットケーキ」
〈アマン〉グループの姉妹ブランド「ジャヌ」初のホテルとして2024年3月、麻布台ヒルズ内に開業した〈ジャヌ東京〉。
注目のペストリーシェフ・野口ゆきえさんが作り上げる“精緻で軽やかで、そして限りなくエレガント”なアフタヌーンティーの世界観は、オープン当初から高い人気を誇っている。
そしてもう一つ、野口シェフのクリエイションが存分に楽しめるのが、ホテル1階の〈ジャヌ パティスリー〉。ホテルのある港区の花が「薔薇」であることから着想を得たという、薔薇の姿をした何とも優美なケーキ「タルニー」がシグネチャーだ。そして新たに、タルニーと並ぶ存在感を放っているのがこの「GM’S キャロットケーキ」。
“GM’S”と命名されている通り、〈ジャヌ東京〉の総支配人・田中紀子さんからのリクエストで実現したというこの一品。田中総支配人が幼少期に食べたキャロットケーキの記憶を再現すべく、野口シェフが約1年をかけて幾度も試作を重ねたそう。
「有機ニンジンを使い、ポイントは粗めにすりおろしていることですね。キャロットケーキは無骨なパウンド型が多いですが、〈ジャヌ パティスリー〉らしく、マーガレットのようなお花型に」(野口さん)
確かに、しっとりと焼き上げた生地は適度に繊維を残したすりおろしニンジンの食感がアクセントとなり、噛むほどにニンジンの甘みがじんわり広がる。
そしてキャロットケーキでおなじみの、クリームチーズのフロスティング(クリーム)をひとひらずつ丹念に手絞りした花びらの、なんと繊細で可憐なこと!甘みはきび砂糖を中心に使い、フロスティングの爽やかな酸味と相まって、喉越しの余韻も軽やかだ。
昨年あたりからキャロットケーキ・ブームはじわじわと継続中。キャロットケーキファンの友に贈り、“GMの思い出の味”を共有したい。